目次

[1]100%に近い状態を実現する「コウノエベルトスパイク2」誕生の裏側
[2]ケガをせずに高校野球生活を送ってほしい

 デサント社と共同でスパイク開発に挑戦する鴻江寿治氏インタビュー。前編では累計30万本以上の大ヒット製品「コウノエベルト」を搭載したスパイク、「コウノエベルトスパイク」誕生までの道のり、そして実際に使うプロ野球選手からの喜びの声を紹介した。後編では、高校野球向けに改良された「コウノエベルトスパイク2(※)」が完成するまでのプロセス、そして鴻江氏の高校球児への想いを伺った。

100%に近い状態を実現する「コウノエベルトスパイク2」誕生の裏側

 今年は、日本高校野球連盟の用具使用制限をクリアした「コウノエベルトスパイク2」が誕生。この夏からは、高校球児も公式戦で「コウノエベルトスパイク2」の使用が可能になった。
 「コウノエベルトスパイク2は、コウノエベルトの配置、仕様を変えることで、ベルトを締める時間の短縮に成功したんです。この変更によって、高校野球連盟の使用制限をクリアすることができました」

 スパイクの刃の数は前5本、後ろ2本の計7本。くの字刃と直線刃を場所によって使い分けるなど、従来のスパイクにはなかった工夫がソール部分にもつまっている。
 「地面をつかみやすい、くの字刃を一番前と外側の2本に配置していますが、重心移動の抵抗を軽減し、内側の突き上げを緩和するため、内側の2本はあえて直線刃を配置。着地時にスムーズに地面に食い込み、次の動作をおこなう際の動きにつなげやすくするため、土踏まずに近い2本は逆ハの字に配置されています。足の指が開く、コウノエベルトスパイク2に一番合ったソール、金具の配置をデサントさんが研究し、出した答えがスパイクの裏面にはぎっしりとつまっています。アッパー部分ありきでつくられたソールですが、相性は抜群だと思います」


これが地面をつかみやすい刃の配置だ!

 数々の工夫が施されている「コウノエベルトスパイク2」だが、軽さを極限まで追求したスパイクではないという。
 「僕は、ある程度の重さは必要だと思っています。軽めにはするけど、軽すぎてもいけない。コウノエベルトが生む、足とシューズの優れたフィット感は、実際の重量よりも軽く感じさせる効果もあるので、体感的には実際の重さよりも軽いスパイクを履いている感覚になります」

 鴻江さんに促され、筆者も「コウノエベルトスパイク2」を履いてみたが、実際の重量ほどの重さは感じなかった。ヒール部分の横に2本配置されたコウノエベルトを締めると、かつて経験したことのないフィット感に足が包まれた。靴ヒモの締め付けだけではけっして得られない一体感だと思った。

 鴻江さんは、「この商品は、その人の持っている100の力を道具の力で120にするような細工が施されたスパイクではない」と強調した。
「100の力が120になることはないけど、100の力を持ちながら、60や70でとどまっている選手を限りなく100に近づけることができるスパイクだと思っています」

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