第589回 伊藤 翔投手(徳島インディゴソックス)「NPB入り、その先の『ヒーロー』へ駆け上げる」2017年10月20日

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【目次】
[1]「自己流」で1年でNPBを決意した前期
[2]後期の模索から、ポストシーズンでの大活躍へ

 角中 勝也(高知ファイティングドッグス~千葉ロッテマリーンズ外野手)や又吉 克樹(香川オリーブガイナーズ~中日ドラゴンズ投手)といった侍ジャパントップチーム経験者をはじめ、これまでの12年間で本指名17名・育成指名32名・計49名のドラフト指名選手を輩出している四国アイランドリーグplus。

 そして2017年、日本独立リーグのパイオニアと言える彼らが自信をもって送り出そうとしているのが徳島インディゴソックスの高卒1年目右腕の伊藤 翔だ。外連味のない腕振りから最速152キロをマークするストレートと、縦に切れ味鋭いスライダーをはじめとする変化球は、シーズン当初からNPBスカウト陣の注目の的であり続けている。

 では、18歳の青年はこの一年間、何を考えてマウンドで躍動し続けたのか?NPB入りのみならず、その先の飛翔を見据えたコトダマをお聴きいただければ幸いだ。


「自己流」で1年でNPBを決意した前期

伊藤 翔(徳島インディゴソックス)

――昨年、四国アイランドリーグplusドラフト1位で徳島インディゴソックスに入団した伊藤 翔投手ですが、まずはそのきっかけを教えてください。

伊藤 翔(以下、伊藤):僕は(横芝敬愛)高卒後、次の世界で野球をする時は「野球でお金を稼ぐ」ところでやりたかった。そこで当初は社会人野球を志望していたんです。ただ、(伊藤 匠)監督と相談しても高卒では社会人野球入りは厳しい。同時に大学からも数校話をいただいていたので、大学に進もうと思っていたんです。

 ただ、そこで四国アイランドリーグplusのトライアウトの話を聞いて。「これが俺が望んでいた道だ」ということで決めました。以前から独立リーグの存在は知ってはいたんですが、それまでは「それこそ野球だけでお金を稼ぐのだから、僕みたいなレベルの選手が行けるところじゃない」と思っていたんです。でも、そういった話があって「大学4年間より、毎年NPB入りのチャンスがあるなら、挑戦してみたい」と思ったんです。

――徳島インディゴソックスに来てすぐにローテーション入り。最速149キロも早々に出しましたが、四国アイランドリーグplusの印象はいかがでした?

伊藤:先輩方は甲子園に出られている方や実績を持っている皆さんばかりなので、僕にとっては吸収することしかなかったです。「聴いて、試して、聴いて、自分で考えて、試す」この繰り返し。トレーニングも自分のためになるものばかりでした。

――対戦相手もマニー・ラミレスや、ラース・アンダーソン(高知ファイティングドッグス)といったMLB経験者をはじめ、外国人選手との対戦も数多くありました。

伊藤:もちろん外国人選手との対戦ははじめてでしたし、雰囲気、立ち振る舞いの違いを感じました。4月、アンダーソンに浴びたホームランは、確かに甘いツーシームだったんですが、ホームベースから離れていたのに外角よりを引っ張ってもっていかれた。衝撃でした。その中で抑えることができたのも自信になりました。

――前期序盤から阪神タイガースの2軍などNPB選手との対戦も経験しました。

伊藤:四国アイランドリーグplusのリーグでは空振りが取れるボールも当てられる。どんなボールでも対応してくる。バッティングの「うまさ」を一番感じました。NPBの選手を抑えるボールの必要性。ストレートにしても、変化球にしてもまだまだだと思いました。

 そして4月に阪神タイガース2軍と対戦した時、同期の才木 浩人須磨翔風高卒)の登板も観たんですが、「マウンド慣れしている。堂々としている」ということも感じたので、リーグでもっと経験して、レベルアップして追い抜かしてやろう。「1年でNPBに行く」という気持ちが生まれました。

――では、具体的にどのような形で「1年でNPBに行く」ようにしようと思いましたか?

伊藤:競った中でも勝ちきれる投手。どのボールでも三振が取れる投手になろうと思いました。(投手出身の)養父 鐡監督からも「変化球でカウントが取れないと、そのあとのストレートも活きてこない」、それと「どうやって簡単にアウトを取れるかを考えなさい」ということをずっと言われました。

――その中で、目標にする選手はいたのですか?

伊藤:僕は人のマネをするのは好きではないんですよ。参考にする選手もいないんです。自分で考えて、自分のものを創らないといけないと思っています。自分の好きな言葉も「自己流」。自分だけのものを貫きたいです。

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プロフィール

伊藤 翔
伊藤 翔(いとう・しょう)
  • ポジション:投手
  • 身長:176センチ72キロ
  • タイプ:右投げ右打ち
  • 生年月日:1999年2月10日生
  • 出身地:千葉県匝瑳(そうさ)市出身
  • 横芝敬愛高等学校-徳島インディゴソックス
  •  匝瑳市立栄小1年時に父・篤志さん、2歳上の兄・大輝(千葉学芸高~東京情報大野球部3年)さんの影響で、軟式・千潮スポーツ少年団で野球を始める小3からは投手。匝瑳市立野栄中では九十九リトルシニアに所属し内野手・外野手全般兼投手。小学校時代は坂倉 将吾(酒々井ビックアローズ~八千代中央シニア~日大三~現:広島東洋カープ捕手)千葉市リトルシニア出身の藤平 尚真横浜~現:東北楽天ゴールデンイーグルス投手)とも対戦経験を持つ。

     伊藤 匠監督を慕い横芝敬愛高に進むと1年時は野手から徐々に経験を積み、2年春の千葉県大会・成田戦で公式戦初登板(2対4で敗戦)。エースナンバーを背負った2年夏は千葉大会4回戦まで進み、「勢いだけではいけない」制球力・変化球の大事さを知る。変化球は現在までにカーブ・スライダー・ツーシーム・フォークを習得している。

     最上級生では秋は県大会2回戦で敗退。冬場は九十九里浜や神社の急坂・階段ダッシュで球速を伸ばしたが、3年春の千葉県大会は直前の発熱で若松に、最後の夏も千葉大会3回戦敗退(対千葉明徳)に終わった。なお、高校時代の最速は3年6月に出した147キロ。

     そして今年・四国アイランドリーグplusドラフト1位で徳島インディゴソックスに入団。開幕当初からローテーションの柱を担いチームの前期優勝に貢献すると、6月・天津ライオンズ(中国)との国際交流戦で自己最速となる152キロを計測。シーズンでは16試合登板で8勝4敗・103回を投げ被安打92・97奪三振・22与四死球・失点33・自責点25・防御率2.18でリーグでも勝利数2位タイ・奪三振数2位・防御率3位と安定した成績を残し、後期優勝・香川オリーブガイナーズとのリーグチャンピオンシップでは2試合連続完投勝利。第4戦は完封で3年ぶりリーグ総合Vを決め、チャンピオンシップMVP。続くルートインBCリーグ王者・信濃グランセローズとの日本独立リーグチャンピオンシップでも2試合14回を投げ1失点でここでもMVPに輝いた。

     趣味はバスケット。中学校時代は九十九リトルシニア引退後、点取り屋として毎日プレーに勤しんだ。

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