第341回 東北楽天ゴールデンイーグルス 松井 裕樹投手【前編】「順応性とプロフェッショナリズムと」2015年11月23日

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【目次】
[1]プロ2年目での躍進
[2]高校時代からあった「順応性」

 今、東北楽天ゴールデンイーグルス「背番号1」の勢いが止まらない。今季から与えられたチームの守護神=ストッパーとしての役割。プロ野球史上初の10代で33セーブ、シーズン中も防御率は0点台をキープ。シーズン終了時点で63試合に登板し、防御率は驚異の0.87。さらに現在、行われているプレミア12でもクローザーとして登板し、邁進を続ける松井 裕樹投手。もともと高校時代から高く評価された実力はもちろんだが、他に要因はないのか。本人の言葉から、躍進の真の要因と強みを探る。

プロ2年目での躍進

松井 裕樹投手(東北楽天ゴールデンイーグルス)

 2015年の高校野球界は清宮 幸太郎関連コラムオコエ 瑠偉(2015年インタビュー【前編】 【後編】に注目が集中しているが、同じように注目を集めた選手が2年前にもいた。桐光学園松井 裕樹だ。高校2年で出場した夏の甲子園で、1試合22奪三振(今治西戦・試合レポート)という大会史上最多記録を達成したことは記憶に新しい。その剛腕がドラフト1位で入団した東北楽天ゴールデンイーグルスで今年、再び注目を集めている。

 19歳という年齢では異例のストッパー抜擢。さらに10代ではプロ野球史上初となる「シーズン30セーブ」を達成し、シーズンを終了して33セーブと大活躍。とてつもない重圧がかかるストッパーという役割をいきなり課せられて戸惑いはなかったのか。

「先発は昨年のオールスター明けから任されたので、先発投手としての過ごし方に慣れていたかというとそうでもないんです。これが10年間先発投手として過ごしていたらまた話は別でしょうけど。先発の経験が多くなかった分、ストッパーとしての準備などに対して違和感は感じていません」

「プロで先発初勝利した試合など印象に残っていますが、思い出としてであって転機になったわけではありません」と言うように、自信がついた試合やシーンがあったわけではないと言う。現在の活躍は、ストッパーとして毎試合登板するかもしれない毎日を通じ、徐々に準備の仕方や気持ちの持っていき方を身に付けていった結果なのだ。

「今は、フォームのポイントを抑えながら投げていけば抑えられる自信がある程度ついてきました。まずは肩の可動域からブルペンで意識して、マウンドに登る時には完全な状態になれるように意識しています」

 ルーキーイヤーとなった昨シーズンは先発、そして今シーズンはストッパー、ともに経験したことでやるべきことの違いも認識している。
「先発の時は、登板日から約1週間を逆算してその日やることをこなしていきます。でも抑えは試合後から次の日の試合前までに全部をやらなければいけない。大事なこと、優先すべきことをピックアップしてやっていく違いはあります」

 もともと先発投手としての資質を評価されてプロ入りしたはずだ。それが2年目にいきなりストッパーになって結果を残すというのは、並大抵のことではない。「三振が取れる」「厳しい場面になるほど真価を発揮できる」という評価がストッパーに抜擢された理由だが、プロ1年目に先発で勝てなかった間は、食事も喉を通らず、誰にも会いたくなくなるほど追い込まれる経験をした。

 それからわずか1年での躍進。その裏には松井投手が持つ「順応性」と「プロフェッショナリズム」があった。

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プロフィール

松井裕樹
松井 裕樹(まつい・ゆうき)
  • 東北楽天ゴールデンイーグルス
  • 経歴:桐光学園-東北楽天ゴールデンイーグルス
  • ポジション:投手
  • タイプ:左投左打
  • 身長体重:174センチ74キロ
  • 生年月日:1995年10月30日
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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