第231回 中日ドラゴンズ 大塚 晶文コーチ【前編】 「プロ、アマチュアで出会った捕手の存在」2014年12月23日

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 今季までB.C.リーグ・信濃グランセローズを投手兼任監督でチームを率いた大塚 晶文氏はシーズン終了後、古巣に復帰する形で中日の投手コーチに就任した。

 大塚コーチは、近鉄(現オリックス)入団2年目の98年から抑えになり、同年の最優秀救援投手に輝くと、04年にメジャーに移籍するまで、通算137セーブをマーク。メジャーでも2球団でリリーフとして活躍し、レンジャーズ在籍の06年には、第1回WBCで胴上げ投手にもなった。

 こうした栄光を手にした一方で、07年から現役引退を表明した今年9月まで、右肘のケガの影響で、投げられない日々が続いた。一時は左投げにも挑戦するなど、様々な経験をされている大塚コーチに、バッテリーコミュニケーション術について、お話いただきました。

【目次】
[1]サインが会話であり、コミュニケーション
[2]捕手との関係改善によって生まれた勝負球

【信濃グランセローズ時代の大塚 晶文監督インタビュー(2014年02月27日公開)はこちら!】

サインが会話であり、コミュニケーション

中日ドラゴンズ 大塚晶文コーチ

 野球を始めてから今年9月に現役を引退するまで、大塚コーチは何人もの捕手とバッテリーを組んできた。その1人1人に思い出があるそうだが、真っ先に名前を挙げたのが、近鉄時代に受けてもらった古久保 健二氏(今季までオリックスコーチ。15年より韓国プロ野球・ハンファコーチ)だった。

「古久保さんは、投手や相手の状況を見ながら、サインを出すタイプの捕手でした。クローザーだったので僕の得意なボールを優先してくれるキャッチャーでしてね。ルーキーとベテランの関係でもありましたし、信頼していたのでだいたいサイン通りに投げていた気がします」

 時に、勝負球のスライダーを投げたいのに、インサイドの真直ぐのサインが出ることもあった。大塚コーチは首を振って、自分の意思を伝えるが、サインはまたしても真直ぐ。それが何度か繰り返され、なかなかサインが決まらないこともあった。しかし、「最後は古久保さんが折れてくれて、勝負球のスライダーを投げさせてくれたこともあれば、押し通されてそのとおりに投げることもありました。僕は自分中心で配球していましたが、古久保さんは打者心理も考えての配球だったのでとても勉強になりました」

 大塚コーチと古久保氏は、学年で7つ離れているのもあって、試合直後にその日の課題について話し合うことはあっても、食事を共にしてコミュニケーションを取ることはなかったが、キツイ冗談を言ってコミュニケーションを取ってリラックスさせられたこともあったという。
「1歳上の的山 哲也さん(現福岡ソフトバンクコーチ)さんとは、よく食事に行きましたが、古久保さんとはサインが会話であり、コミュニケーションだったような気がします。サインで納得させてくれる。そんな捕手でしたね」

 ところで、82年から02年まで近鉄でマスクを被った古久保氏はどんな捕手だったのか?筆者は以前、かなり以前のことだが、古久保コーチについて、大阪・太成高(現太成学院大高)時代の恩師(奈良大附高・山岡 成光監督=当時)から、うかがったことがある。

 高校時代のエピソードもいろいろと教えてもらった中、印象的だったのが「テレビで、投手が捕手からの返球を捕る姿を見れば、捕手が古久保だとわかる」という話だった。つまり、そのくらい回転のきれいな返球を、投手が捕りやすいよう、グラブを持つ側の胸あたりに返すと。
もしかすると、これも1つのコミュニケーションスキルなのかもしれない。

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チーム内 コミュニケーション術

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プロフィール

大塚 晶文(おおつか・あきふみ)
大塚 晶文(おおつか・あきのり)
  • 所属:横芝敬愛-東海大学-日本通運-近鉄ドラゴンズ(1997年-2002年)-中日ドラゴンズ(2003年)-サンディエゴ・パドレス(2004年-2005年)-テキサス・レンジャーズ (2006年-2007年)-信濃グランセローズ (2013年- 2014年)-中日ドラゴンズ投手コーチ(2015年-)
  • ポジション:投手
  • タイプ:右投右打
  • 身長体重:182センチ/95キロ
  • 1972年1月13日生まれ
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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