24日から春季近畿大会が奈良県で開催されています。開催県以外の地区は県優勝が出場条件となるため、出場するにはハードルの高い大会です。近年の近畿大会出場チームは夏も躍進することが多く、他の地方大会にはない特徴があります。今回は過去の近畿大会を振り返り、その戦いぶりから躍進を予感させたチームを紹介できればと思います。
2016年 ドラ1左腕を擁し、近畿を代表する大型チームに変貌した履正社
この代の履正社は元ヤクルトの寺島 成輝投手が“世代屈指の左腕”として注目されていました。ただ2年秋にセンバツどころか、同年秋の近畿大会も出場を逃してしまいました。この悔しさを糧に成長した寺島投手を始めとした履正社ナインは投打ともにパワフルなチームに成長。春季近畿大会にコマを進めました。当時2年生スラッガーとしてブレイクの兆しが見えた安田 尚憲内野手(ロッテ)、寺島投手とともに2枚看板を確立した山口 裕次郎投手(元JR東日本)と、タレント揃いの選手が揃っていました。準決勝までコールド勝ちを収め、決勝戦では直前のセンバツで優勝した智弁学園に6対0で完勝。山口投手、寺島投手のリレーで完封しました。2人とも左腕ながら常時140キロ中盤の速球を投げ込んでおり、威力が違いました。
この完成度のままならば、全国でも躍進するだろうと思いました。実際、夏の大阪大会では圧倒的な戦いぶりを見せ、決勝戦の金光大阪戦でも7対2で快勝しました。甲子園では2回戦で優勝候補・横浜を破り、甲子園を沸かせました。3回戦で常総学院に敗れましたが、大型チームに相応しい戦いは見せました。