<第77回春季関東地区高等学校野球大会:健大高崎3-1習志野>◇20日◇準々決勝◇ノーブルホームスタジアム水戸

 健大高崎の1年生右腕・石垣 聡志が関東大会で公式戦デビューした。

 無駄な力みが入っていない投球フォームから常時130キロ中盤(最速137キロ)の速球、スライダー、ツーシームを武器に習志野相手に3回1失点だった。

 青柳博文監督は「まず打者が一回りする3回まで投げたのは大きかったですね。彼はうまくいけば、世代屈指の本格派右腕になれる可能性を持った逸材です」と高く評価する。ピンチの場面でも制球を乱すことなく、粘り強く抑えており、石垣聡自身も「しっかりとコーナーに散らすことができました」と振り返った。リードする小堀 弘晴捕手は「今年の1年生の中ではかなり速いですし、今後につながる投球でした」と1年生投手の力投を称えた。

 小学校5年生から石垣島に移住し、中学では八重島ポニーではU16ポニーワールドシリーズ日本代表に選出され、中学時代の最速は140キロだった。八重島ポニーは大嶺祐太投手(元ロッテ)、平良海馬投手(西武)を輩出しており、八重山商工の監督として甲子園に導いた伊志嶺吉盛氏の紹介で、石垣聡を見たという。青柳監督は「伊志嶺さんから『大嶺を超える投手』になるかもしれないと推薦をいただき、うちが石垣島でキャンプをしていることもあって、彼の試合を見ました」と語る。

 石垣聡は健大高崎のキャンプを見学し、「練習の雰囲気が自分に合っているなと思い、進学を決めました」と石垣島を出て、健大高崎で腕を磨くことを決めた。

 青柳監督は「デビューの投球は3年の石垣(元気)に近いものがあります。183センチと体のポテンシャルもある。体力を強化すれば、150キロは狙えると思います」と高く評価する。石垣聡は「山下舜平大投手(オリックス)のような剛腕になるのが目標です」とハキハキと語った。

 常時140キロ台の速球を投げるわけではないが、投球フォーム、制球力も良い素材として、さらにスケールアップした時、どんなストレートを投げ込むのか、注目が集まる。