<令和7年度春季京都府高等学校野球大会 2次戦準決勝:東山2-1龍谷大平安>◇18日◇わかさスタジアム京都

 春4回、夏4回の甲子園出場経験を持つ東山龍谷大平安を下し、3年ぶりの決勝進出を決めた。

 最速143キロ左腕のエース・矢根 圭悟投手(3年)が注目される中、先発を任されたのが背番号10の笠井 孝太郎投手(3年)。彼も昨秋にエースナンバーを背負った好投手である。

 最速138キロのストレートにスライダー、カーブ、チェンジアップを操る笠井。身長168㎝と上背はないが、制球力が高く、威力のあるストレートでフライアウトを打たせることもできる。

「守備に助けられた部分も多かったですけど、要所はしっかりと締められたので良かったと思います」と立ち上がりから安定した投球を披露。変化球でテンポ良くストライクを取れており、要所で高めのストレートも上手く使っていた。

 6回に味方の失策で失点したが、7回を投げて6安打1四球2奪三振で自責点0と好投。「良いピッチングをしてくれるだろうと思っていたので、自信を持って送り出せました」という尾迫 大樹監督の期待に応えた。

 対する龍谷大平安のエース・臼井 夏稀投手(3年)も7回まで1失点と好投。得意球のスライダーやスプリットが冴え、1回戦で京都国際を完封した実力を存分に見せつけた。

 試合が動いたのは8回表、笠井の代打で出場した先頭の平山 航大内野手(3年)が死球で出塁すると、その後に2本の安打が出て、二死満塁のチャンスを作る。

 ここで5番・中嶋 陸内野手(2年)が放った当たりは平凡なショートゴロだったが、これを龍谷大平安の遊撃手・髙須 悠利(2年)がファンブル。思わぬ形で東山に勝ち越し点が入った。

 その裏から東山は矢根が登板。「抑えようという気持ちが強すぎました」と死球もあり、一死二、三塁のピンチを招く。 

 それでも得意球のスライダーで二者連続三塁ゴロに打ち取ってピンチを脱すると、9回は代打攻勢に出た龍谷大平安の攻撃を三者凡退に抑えた。

 府内でも有数の強豪である東山だが、一昨年秋から昨夏まで3季連続で初戦敗退。昨秋も3回戦で敗れており、苦しい時期が続いた。

「チーム内で『復活の東山』を掲げています」と4番捕手の中野 泰山主将(3年)は言う。優勝すれば、32年ぶり。この時は巨人やレッドソックスで活躍した岡島 秀樹投手がエースだった。

 復活への道のりはまだ半ば。まずは春の頂点を目指して19日の決勝に挑む。