報徳学園(兵庫)編「今もなお名選手、好選手を輩出し続ける報徳学園のつながり!」
左から 九高時代の乾 陽平、岸田 行倫
報徳野球部の歴史は古く、1932年(昭和7年)に創部。夏の甲子園に14回、春の選抜に20回出場し、全国制覇は春夏合わせて3度している。そんな兵庫県を代表する強豪校の報徳学園のつながりを見ていきたい。
全国制覇3度 プロ野球で活躍する選手も多く輩出する
1961年(昭和36年)夏の甲子園に初出場し、初戦の倉敷工戦では延長11回表に6点を失いながらも、その裏に6点、続く12回裏に1点を追加し奇跡の逆転勝利を収めた。このことから報徳は「逆転の報徳」と呼ばれるようになった。この大会ではその後、初出場ながらベスト8まで駒を進
めた。
1974年(昭和49年)春には堅い守備と機動力を擁して悲願の全国制覇を果たす。そして1981年(昭和56年)夏、またもや“逆転の報徳”が甲子園を沸かせた。この年はエースの金村 義明投手(元大阪近鉄バファローズ)を擁して春夏連続出場。3回戦では荒木 大輔投手(元ヤクルトスワローズ)擁する早稲田実業と対戦した。試合終盤まで息詰まる投手戦だったが7回に均衡が破れ、8回表が終了した時点で4対0でリードを許す展開となる。しかし8回裏に1点を返し、9回には金村のヒットから続き同点に追いつく。球場は、当時社会現象を起こした荒木への声援を上回り報徳の逆転ムードが漂う。そして延長10回に金村のヒットなどで1点を取り逆転勝利。その勢いのまま夏の甲子園で初優勝を遂げた。
その後も多くの有名選手を輩出して甲子園に出場し、現在では春夏合わせて34回の出場を誇る。2002年には大谷 智久投手(千葉ロッテマリーンズ)や尾崎 匡哉選手(元日本ハムファイターズ)などの活躍により、2度目となる選抜優勝を果たした。
近年では2008年夏に近田 怜王投手(元福岡ソフトバンクホークス、現JR西日本)らの活躍により27年ぶりのベスト8、2009年春には宮谷 陽介投手(東京ガス)、2010年夏には大西 一成投手(龍谷大卒)、田村 伊知郎投手(立教大)などの好投手を擁し、いずれもベスト4まで進んでいる。
80年以上の歴史がありながら、勢いを失わない報徳学園の今後に注目だ。
近年の卒業生
現在も左右の好投手を輩出している報徳学園。ドラフト候補として東京ガスに所属している宮谷投手の活躍が期待される。また来年、最終学年を迎える田村伊知郎がどこまでプロを意識できる投手になれるか。卒業後、大阪ガスに進み、ルーキーながら活躍を見せる岸田 行倫は攻守のバランスが取れた野手で、今後の成長が楽しみな存在といえるだろう。来年以降、次のステージでの活躍する可能性を持たせる選手が出てくるか、心待ちにしたい。
■2009年卒
近田 怜王(福岡ソフトバンクホークス-JR西日本)
■2010年卒
平本 龍太郎(立教大-JX-ENEOS)
宮谷 陽介(東京ガス)
■2011年卒
大西 一成(龍谷大卒)
■2015年卒
岸田 行倫(大阪ガス)
石垣 昭二(立教大)
田中 和馬(愛知学院大)
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