拇指球で蹴る?
第7回 拇指球で蹴る?2011年05月20日
みなさんこんにちは。トレーナーの田口です。
だんだんと気温も暖かくなり夏に近づいてきましたね。
三年生は最後の大会まで2か月を切りました。どのような結果になっても悔いの無いよう精一杯日々を過ごしていきましょう。
今回のコラムの内容は前回の最後にも少し触れましたが『拇指球で蹴る』ということについて触れていきます。よく昔から『拇指球(ぼしきゅう)に体重を乗せろ』とか『拇指球で掴め』などと言われてきましたが果たして本当に正しいのでしょうか?
足の裏の3ポイント
【足の裏は大きく分けて3つ】
まず足について考えていきましょう。足の裏というのは大きく分けて
・拇指球
・小指球
・踵
の3つに分けられます。
この3つのポイントでバランスを取って体重をうまく支えています。
それに加え足の裏ではないですが『内くるぶし』が重要になってきます。
内くるぶしはすねの骨の脛骨(けいこつ)という骨の一部になります。その脛骨が下腿(脚の膝から足首までの間)で一番太い骨になります。
本来ならばその内くるぶしの真下に体重がかかるのがベストの立ち方になります。そして横から見たときにくるぶしを境に足を前と後ろに分けることができます。ここで皆さん試してみましょう。
1:立位姿勢時に体重を拇指球に乗せたとき
2:立位姿勢時に体重を踵に乗せたとき
いかがでしょうか?
骨盤を前後させてみると分かりやすいのですが、拇指球に乗せたときには腿の前側の大腿四頭筋に、踵に乗せたときは腿の後ろ側のハムストリングスに刺激が入ったと思います。この腿の前と後ろのどちらの筋肉を使うかというのがプレーにおける重要なポイントになります。
足の裏の3ポイント
【足の前後、筋肉の前後について意識してプレーしよう】
大腿四頭筋は動作を停止する筋肉、ハムストリングスは動作を加速させる筋肉。階段を降りるときは大腿四頭筋が疲れ、登るときにはハムストリングが疲れますよね?
つまりプレーの最中に拇指球に体重が乗るということは無意識に動作を停止する筋肉に力が入ってしまっていることになります。それに加え野球にとって不利でもある「回転動作」という弊害も起こってしまいます。(回転動作については後のコラムでもお話しします。)
それに加え大腿四頭筋は膝を伸ばす働きがあるので走ったりしている最中にからだの上下が起こりやすくなってきてしまいます。
拇指球を使わないということは必然的に踵を使うことになってきますね。基本的に特別にどこかを鍛えたという場合のを除いては「日常的に多く使われているところが鍛えられ(肥大)ます」
女性の外反母趾などがいい例ですね。ヒールの高い靴の履くと嫌でもつま先(拇指球)に体重がかかりますね。その結果親指の付け根の骨が肥大(変形)し外反母趾という現象が起こります。(もちろんそれだけとは言い切れませんが)バスケットの神様マイケルジョーダンは踵の骨が大きかったと聞いたことがあります。
皆さんも足の前後、筋肉の前後について意識してプレーするとまた今までとは違った感覚でプレーできると思います。
(文=田口 亮)
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