セ・リーグ王者ヤクルトは新人王候補が先発ローテーションへ!



東芝時代の吉村貢司郎

 セ・リーグ3連覇を狙うヤクルトは、吉村 貢司郎投手(日大豊山出身)が先発ローテーション入りに向けて、オープン戦では17イニングを投げて、防御率は脅威の0.53を記録した。さらに奪三振率は11.65を記録しており、早くも新人王獲得も期待される。

 昨シーズンのヤクルトは、奥川 恭伸投手(星稜出身)が初登板の試合で離脱。この奥川の離脱により、ヤクルトは先発投手の運用に苦しんだ。そのため、リリーフ投手を上手く運用して、2連覇を飾ったが、今シーズンは先発陣が充実するとなると、リリーフの勤続疲労などもカバーできるだろう。

 新人王の資格はないが、その吉村とチームメートの内山 壮真捕手(星稜出身)も期待の若手として注目だ。昨年の日本シリーズで劇的なホームランを放った。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本を世界一に導いた中村 悠平捕手(福井商出身)という正捕手がいながら、57試合マスクを被った。さらに打力もあることや高校時代は遊撃手も経験していることから、打撃面が先に成長していくとなると、今年から守っている外野を含めて他のポジションで出場させることもあるだろう。

 これはソフトバンクの栗原 陵矢外野手(春江工出身)や広島の坂倉 将吾捕手(日大三出身)が、捕手でありながらユーティリティーとして守っていたこともあり、試す価値はある選手だろう。

 捕手としても成長させていきながら、26歳〜27歳ぐらいにチームの状況を考慮しつつ、固めていくのも一つの手段と見ている。

 また、巨人の門脇 誠内野手(創価高出身)はルーキーながらも、遊撃手を中心にさまざまなポジションを守りながら、オープン戦の打率は.286を記録。坂本 勇人内野手(光星学院出身)が衰えを見せる中で、疲れが見え始めたときに上手くカバーできる選手として期待される。

 坂本自身も長期的に見れば、遊撃手のポジションも難しくなる。ただ、歴史に残る遊撃手だったことや、坂本の前任の二岡智宏も打力があったことから、遊撃手としてレギュラーを獲得となると、巨人ファンからのハードルも高くなるだろう。

 門脇がこのプレッシャーにも打ち勝てるかどうかにも注目だ。

パ・リーグは連覇を狙うオリックスの宇田川優希か?山下舜平大か?日本ハムの金村尚真か?



オリックス・山下舜平大

 パ・リーグの新人王争いは、昨年オリックスを日本一に導き、WBCにも選ばれた宇田川 優希投手(八潮南出身)に新人王の資格があり、実績を踏まえると有力視されている。

 昨年の日本シリーズでは7戦中4試合に登板。イニングを見ても、5.2回を投げて10奪三振で無失点、1勝2ホールドを記録しており、MVPを取ってもおかしくなかったレベルの活躍を見せた。日本シリーズでは、影のMVPと言ってもいい活躍を見せた宇田川だが、今シーズンは初のフルシーズンとなる。そのため、WBCがあったことから急ピッチで調整した点が、バテないかもポイントとなっていく。

 宇田川と同じオリックスの山下 舜平大投手(福岡大大濠出身)も注目度が高い。オープン戦では、最速158キロを記録。さらに、平均球速は、150キロ以上を記録した。奪三振率は驚異の13.50。空振り率を見ても、期待できる数値を残している。

 また、この山下は開幕投手も第一候補であげられている。山本 由伸投手(都城高出身)や宮城 大弥投手(興南出身)がWBCの影響で、出遅れることを想定すると、山下への期待は大きいだろう。

 山本はメジャーに移籍する可能性も高いことから、山下には今シーズンだけではなく、来シーズン以降も先発陣を引っ張っていくことが期待される。

 日本ハムの金村 尚真投手(岡山学芸館出身)にも注目だ。オープン戦では、15イニングを投げて防御率1.20を記録。平均球速は150キロ近い数字を記録している。先発ローテーションの候補であり、先発となればリリーフの宇田川よりも山下と同様に有利になる可能性は高い。

(文=ゴジキ)