2018年の侍ジャパンU-15日本代表の現在地 選抜甲子園には5名が出場の可能性
愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで開催された「U-15アジアチャレンジマッチ2019」。侍ジャパンU-15代表は、11月24日のチャイニーズ・タイペイ戦で10対0の5回コールド勝ちを収めて5大会連続優勝を達成した。
過去を遡ってみても、U-15日本代表の選手たちの多くは高校野球の舞台でもやはり活躍を見せる。そこで今回は、2018年の侍ジャパンU-15日本代表に選出された選手たちを振り返り、現在の高校野球での活躍を追っていきたい。
甲子園一番乗りは小畠一心、杉下海生も神宮で存在感
夏の甲子園のマウンドも経験した智辯学園の小畠一心
高校野球の舞台で最も早く頭角を現したのは、智弁学園の小畠一心(住之江ヤング出身)だ。
U-15日本代表では多くの試合でクリーンナップを任されるなど、主に打者として活躍した印象が強かったが、高校野球ではここまで投手としての起用がメイン。エースではないながらも春先から実戦経験を積んでいき、夏には[stadium]甲子園[/stadium]のマウンドも経験。この秋も投手陣の一角として、近畿大会ベスト4に大きく貢献した。
元々は投打で評判の高かった選手だけに、今後は打者としての活躍も期待できる。
また天理の明治神宮大会準優勝に貢献した、杉下海生(泉佐野シニア出身)の活躍も鮮烈だった。新チームから正遊撃手として定着し、打線でも小技やミート力を武器に2番や下位打線で味のあるプレーを披露。フットワークの良さや安定したスローイングは出色で、出場が予想される選抜甲子園でのプレーも非常に楽しみだ。
天理の明治神宮大会準優勝に貢献した杉下海生
中学時代の知名度は、世代でもトップクラスであった池田陵真(忠岡ボーイズ出身)は、大阪桐蔭の1番に定着した。秋季近畿地区大会では15打数5安打2打点の成績を残して、チームの準優勝に貢献。大阪桐蔭もまた、選抜甲子園への出場が濃厚と目されているだけに、池田の全国デビューが今から待ち遠しい。
そして同じく大阪桐蔭の竹中勇登(倉敷ビガーズ出身)も、投手陣の一角として登板機会を掴んでいる。秋季近畿地区大会では、リリーフとして準決勝、決勝と重要な2試合に登板。層の厚い大阪桐蔭の投手陣の中で奮闘中だ。
また、代表選手の中でも数少ない技巧派左腕であった秋山恭平(筑後サザンホークス出身)は、広島新庄で背番号10ながら今やエース格の活躍を見せている。秋季中国地区大会では準決勝までの3試合すべてで完投し、中でも準決勝の倉敷商戦では敗れたものの延長11回を投げきった。
選抜甲子園への出場は当落線上だが、その戦いぶりから出場が有力の声もあり、甲子園で秋山の姿を見ることが出来るのか注目だ。
選抜出場は難しくもチームの主力となった元U-15代表たち
横浜では打者として存在感を見せる金井慎之介
その他、地区大会で出場を果たした選手では、鹿児島実の城下拡(串木野ドリームズ出身)が存在感を見せている。
春先から試合への出場機会を掴んでおり、新チームでは3番・捕手として定着。強肩強打の捕手としてチームを牽引しており、秋は九州地区大会にも出場を果たした。
そして、中学時代から140キロに達するの直球を投げ込んでいた青森山田の藤森粋七丞(青森山田シニア出身)も順調な成長を見せている。
夏のベンチ入りは果たせなかったが、秋季大会からからメンバー入りを果たすと、秋季青森県大会初戦のむつ工戦では自己最速の142キロをマークして、そのままチームを秋の青森王者まで押し上げた。選抜甲子園への出場は難しそうだが、来年は注目投手として名前も上がってきそうだ。
また地区大会への出場は果たせなかった選手でも、活躍を見せている選手は多くいる。
本格派左腕として注目を浴びていた金井慎之介(城南ボーイズ出身)は、横浜高では打者として存在感を見せている。夏の大会でもスタメンに名を連ねており、新チームではクリーンナップを任されることもしばしば。強肩を活かした外野からのレーザービームも強烈で、野球センスの高さを見せつけている。
フォーム修正を行い先発として経験を積んでいる本田峻也(東海大菅生)
その他、静岡裾野シニアの主砲だった木本 圭一は桐蔭学園の4番に定着しており、安定した守備力が持ち味だった齋藤広空(京葉ボーイズ出身)も日大三の正二塁手のレギュラーを獲得。
独特のインステップが持ち味だった東海大菅生の本田峻也(小松加賀シニア出身)は、先発投手としてスタミナを上げていくために現在は踏み出しは真っ直ぐにフォームを修正。秋季大会では背番号18でベンチ入りを果たしており、このオフシーズンでさらに体力強化を図っていく。
中には、まだ公式戦への出場機会を掴むことができていない選手もいるが、素材はピカイチであることには間違いない。秋に存在感を見せた選手の更なる活躍、そして新たな選手の台頭に期待して、今後の動向も追っていきたい。
記事=栗崎 祐太朗
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