目次

[1]実力以上のものを求めていませんか/カフェインの摂取許容量を知ろう
[2]飲まずにいられなくなる?/エナジードリンクの代わりに


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 最近はすっかり肌寒くなり、本格的な冬が近づいていることを実感させられますね。選手の皆さんは、グランドでの技術練習や体力づくりのためのウエイトトレーニングなど、さまざまなことに取り組んでいることと思います。汗をかいたらタオルで拭いて体を冷やさないようにし、睡眠を十分にとって体調管理に努めてくださいね。さて今回はエナジードリンクがアスリートにもたらす影響について考えてみたいと思います。手軽に手に入れられるものですが、常飲すると体にはどのような変化が起こるのでしょうか。

実力以上のものを求めていませんか



エナジードリンクはコンビニなどでも手軽に購入しやすいが、体にもたらす影響を知っておこう

 試合前やテスト対策として深夜まで勉強するときなどに「頭がスッキリするから」「元気になるから」という理由でエナジードリンクを飲む選手がいるかもしれません。エナジードリンクの多くは疲労回復をうたっており、ビタミンB群をはじめ、さまざまなビタミン類や覚醒作用をもたらすカフェインなどが含まれています。カフェインそのものは適量であればさほど問題になりませんが、それでも夕方以降にカフェインを含む飲みものを飲むと、寝つきが悪くなったり、睡眠そのものに影響を及ぼしたりすることが知られています。また炭酸飲料と同様に糖質も多く含まれるため、一時的に血糖値が上がり、その後血糖値が急激に下がって低血糖状態になりやすいとも言われています。低血糖になってしまうと集中力がなくなり、疲労感を覚えることもあります。エナジードリンクを飲むと「魔法のように」元気になってしまうと思われがちですが、必ずしもパフォーマンスアップにつながるものではなく、体への負担が大きいことも理解しておきましょう。

カフェインの摂取許容量を知ろう

 カフェインはコーヒー(1杯あたり約65mg)やお茶など多くの嗜好品に含まれており、適量であれば問題となることはありません。ところが人気のあるエナジードリンクの中には250ml缶で80mg、355ml缶で142mgなどより多くのカフェインを含むものがあります。欧州食品安全機関(EFSA)が推奨している1日あたりのカフェイン摂取許容量は小児~青年期は1日に3mg/kgまでとされ、体重60㎏の選手であれば1日180mgまで、体重80㎏の選手であれば1日240mgまでとなります(ただし個人差が大きいことも指摘されている)。コーヒーを1日に3~4杯程度であれば問題ありませんが、これにエナジードリンクを1本プラスすると適切なカフェイン摂取量を越えることになります。カフェインの過剰摂取が日常的になってしまうと、安静時心拍数が増加し、不安感やイライラに悩まされたり、めまいや不眠症といった健康への悪影響がみられることがあります。