第249回 ベストパフォーマンスを引き出すための集中力2020年07月15日

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【目次】
[1]集中している状態とは?
[2]結果にこだわるのは試合後に

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 皆さんの地域ではそろそろ地方大会が開催されている頃でしょうか。例年とは違って各都道府県によって試合日程や形式などは変わってきますが、特に公式戦では今まで培ってきた技術・体力・チーム力などを総動員し、一戦必勝の戦いに臨んでいることと思います。その中でも試合前や試合中などに発揮される集中力は、皆さんの持てる力を最大限引き出すことに役立ちます。今回はベストパフォーマンスを引き出すための集中力について考えてみたいと思います。

集中している状態とは?



円陣はメンバーが「今、ここでするべきこと」を確認する方法の一つ

 試合中によく「ここ、集中していこう!」と声を掛け合うことはありませんか。特に大事な場面の時ほど、お互いで声を掛け合って確認することが多いと思います。集中するとは「今、ここでやるべきことを理解し、準備して臨む」ととらえることができるでしょう。ただし、やるべきことはケースによって複雑に変化するため、何パターンも想定しなければならないかもしれません。
 そこでやるべきことの優先順位をつけておき、自分がコントロールできることに意識を向けることが大切です。また集中力というのは長時間持続できるものではなく、さまざまな刺激によって妨げられることが知られています(勉強を始めようと思いながら、ついスマホの画面を見てしまう…といった具合に)。環境(雨や強風など)や応援の声といった外的な要因や、ミスを恐れて不安になる内的な要因などによって集中力をそがれてしまうことも少なくありません。集中していない状態の時ほど、一度心を落ち着かせて、「今、自分ができること」を確認してみましょう。

適度な緊張状態を保つ

 「大きな大会においても平常心を保って試合に臨む」というのは皆さんの理想とするところだと思います。ある程度緊張してしまうのは仕方がないと思いますが、逆にまったく緊張しない状態であってもパフォーマンスは低下すると言われています。この緊張と弛緩(しかん:ゆるんだ状態、リラックス)の間に、集中力を高めてパフォーマンスを発揮するゾーンが存在します。適度な緊張感は人それぞれ違ってくると思いますが、これはある程度自分でコントロールすることができます。自律神経と関連する呼吸に注目してみましょう。
 呼吸は「吸う」「吐く」を繰り返しますが、このリズムを自分で調節することで緊張と弛緩を意図的につくり出します。少し緊張しているなと感じる時はゆっくりと大きく息を吐きながら深呼吸を繰り返すと、副交感神経が優位になって心拍数が下がり、ドキドキした状態が落ち着きます。反対に緊張感が足りないと感じる時は、わざと呼吸を早めることで心拍数が上がって交感神経が優位に働き、緊張状態に近づきます。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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