22年の高校野球の顔、世代屈指のスラッガーなど22年夏の甲子園 ドラフト的ベストナイン
第104回全国高校野球選手権(甲子園)は、仙台育英(宮城)の優勝で大会が終わった。この大会でのベストナインを紹介したい。センバツに続き、今大会の活躍度を対象に選出した「高校野球的なベストナイン」と、将来のドラフト候補として選出した「ドラフト的ベストナイン」の2パターンを考えてみた。(なお学校の偏りをなくすため、1校2人までとした)
【ドラフト的ベストナイン】
投手は今年の高校野球の顔といっていい近江(滋賀)の山田。甲子園通算11勝、甲子園通算115奪三振をマークした。140キロ後半の速球と、切れのあるスライダー、ツーシーム、スプリットで翻弄する投球は見応えがあった。
大阪桐蔭(大阪)の松尾はこの夏の甲子園でも2本塁打を放ち、甲子園通算5本塁打を記録。抜群の強肩を生かしたスローイングと攻守の総合力、将来性は明らかに抜けていた。
一塁は九州学院(熊本)の村上を選出。12打数3安打を記録し、そのうち長打は2本。14打席で三振は1しかなく、中身のある打撃内容を見せた。打撃の形は悪くなく、高校生としては規格外の体格を持つ、将来性抜群の逸材として選出させてもらった。
二塁は愛工大名電(愛知)の市橋を選出。打率.467を記録するなど、バットコントロールがいい。守備範囲が広く、軽快な二塁守備も魅力的。将来的にはスピード感溢れる野手としてドラフト候補に挙がる可能性を持っている。
三塁は打率.529をマークした大阪桐蔭の伊藤を選出。多くの好投手から安打を放った打撃技術や、積極的な走塁姿勢、安定した三塁守備が光った。将来的には十分にプロを狙える選手だろう。
遊撃は天理(奈良)の戸井を選出。初戦の山梨学院(山梨)戦で猛打賞を記録。シャープなスイングから次々と振り抜く打撃は、今大会出場の内野手の中でも明らかに抜けていた。
外野では、まず高松商(香川)・浅野を選出。10打数7安打3本塁打6打点、18塁打を記録した。近江の山田から3安打1本塁打を記録した点を見ても、明らかに抜けた選手というのが分かる。
二松学舎大附(東東京)・瀬谷は、社(兵庫)戦で4安打を記録。パワフルなスイングで、打球速度の速さも抜けていた。さらに快足を生かしたセンターの守備にも光るものがあった。
明秀日立(茨城)の石川は投手として、140キロ前後の速球を連発した能力はもちろんだが、野手としても、仙台育英(宮城)戦でも3安打を記録した打撃力がある。スラッガーとして存在感を示した。かなり楽しみな存在であることは間違いない。