目次

[1]東海大相模は積極的な継投策で頂点に立つ
[2]山村学園、専大松戸など複数投手制を活用し、経験を積ませた学校たち

 令和初の関東王者となったのは東海大相模だった。6日間で5試合というハードスケジュールの中、激戦を制した東海大相模の戦い方、投手運用は参考になるものがあった。春の関東大会は夏へ向けて戦力を試し、どれだけ積み上げできるかが大事になるが、東海大相模を見事に実践していた。

 今回は投手運用という観点から関東大会を総括していきたい。

東海大相模は積極的な継投策で頂点に立つ


今大会の東海大相模でピックアップしたいのは投手運用だ。5戦の先発投手は以下の通り。

1回戦 木更津総合 先発:遠藤 成
2回戦 前橋育英 先発:冨重 英二郎
準々決勝 浦和実 先発:石田 隼都
準決勝 山村学園 先発:冨重 英二郎
決勝 東海大菅生 先発:石田 隼都

 先発投手は毎試合変わっていた。リリーフでは、左腕の野口 裕斗、右サイドの紫藤 大輝が待機。大崩れすることなく、試合を作ることができていた。昨秋まで多くの投手がスピード不足で、不安要素があった。だが、紫藤、野口、富重の3人は平均球速が130キロ中盤を出せるようになるまでレベルアップし、余裕を持った投球ができるようになった。

 絶対的なエースはいない。だからこそそれぞれの投手が自分の武器を磨き、高校生投手としては高いレベルを誇る投手陣となった。

 ただ能力が高くても、指導者の考えによっては1人で投げ通すチームは少なからずある。だからこそ場面に応じてリリーフを起用した投手運用も見事と言える。投手をレベルアップさせるには指導者陣の管理能力も大事になるが、今大会は東海大相模の投手管理能力の高さを実証した大会だった。

 また、投手陣をカバーした打線も素晴らしかった。5試合で総得点30、チーム打率.329と打撃面でも高いファクターを示し、1番・鵜沼 魁斗、今大会ショートのレギュラーとなった茂谷 光の2人が打率5割を記録。また、要所では堅い守備が光り、投手を盛り立てた。

 まさに投打がかみ合い、令和初の関東王者となった東海大相模。ベンチで控えている選手のレベルも高く、チームとして隙が見当たらない。夏へ向けて激しい競争が行われると思うが、また夏には最強の20人が出てくることを期待したい。

東海大菅生も全6投手が登板 有意義な「春」に



準決勝では完封勝利を挙げた中村晃太郎(東海大菅生)

 準優勝の東海大菅生も夏へ向けての選手起用が光った。春の都大会までの中心投手は左腕・中村 晃太朗新倉 寛之、147キロ右腕・藤井 翔の3人。関東大会では左腕・杉浦 敦基、左腕、広瀬 楽人、右腕・新村 凪の3人が新たにベンチ入りし、のべ6投手がベンチ入りしていた。

 ベンチ入りメンバーを確認した時、どのタイミングでこの3人を起用するのか、注目していた。なんと決勝戦の東海大相模戦で、中村晃以外の5人が登板したのだ。5人とも直球は130キロ超えで、藤井にいたっては143キロを連発。中村晃以外の投手陣も能力が高いことを証明した。もちろんエース・中村晃と比べると安定感、投球術など課題はある。

 若林監督は野球部訪問の際、「夏は晃太朗1人では勝てないですから。だからこの春はできるだけ勝ち進んで、多くの投手を経験させたいんです」と語っていたが、都大会・関東大会を通して、投手陣の経験値を積ませることができたのは、有意義な春だったといえるだろう。

 ただ自慢の打線は鳴りを潜め、チーム打率.276に終わった。東海大菅生は常に西東京の好投手と対戦することを想定して試合に臨んでいる。決勝戦の東海大相模戦は能力が高い東海大相模投手陣とはいえ、3得点に終わったのは大きな反省材料だろう。

 関東大会の経験を生かして、夏ではどんなチームとなっているのか、注目したい。