秋の関東も激戦!秋季関東大会2018 出場15校逸材ガイドブック!
いよいよ選抜をかけた秋の関東大会が20日に開幕する。今年は1会場での開催となり、まず20日~23日にかけて準々決勝までが行われ、27日に準決勝、28日に決勝戦が行われる。今大会の特徴的なのは22日に初戦を迎える学校以外、必ず中1日を置いて練習をすることだ。
例年の関東大会にありがちな、日曜日初戦、決勝まで進むと4日連続で試合というパターンがなくなった。球児の健康を守る意味でも、今回の開催パターンは続けてほしいものである。さて、今回登場する15校の注目選手を日程別で紹介していきたい。
いきなり好カード実現の20日の見どころ!
初日注目の投手たち
20日 第1試合(10:30) 前橋育英(群馬1位)vs作新学院(栃木2位)
二季連続の甲子園出場を狙う前橋育英。攻守の安定感はチームがかわっても健在。その安定感はエース・梶塚彪雅、捕手・須永武志が生み出している。梶塚はザ・前橋育英のエースと呼べる総合力が高い投手で、高い制球力、緩急が利いたピッチング、巧みなフィールディング、テンポの良いピッチングは隙がない。須永もキャッチング、リードもよく、さらに打撃も8番打者ながらパワフル。また、夏の経験者で、巧打のセカンド・剣持京右、強打の三塁手・森脇真聡、俊足でパンチ力のある丸山大河とタレント揃い。2年ぶりの選抜出場へ、最低ラインの4強入りを目指す。
対する作新学院は守備力で勝負。右の林勇成、左の小野寺颯太の投手陣が中心。打線では遊撃手・石井巧、1年生・横山陽樹の甲子園メンバーがいるが、まだ打線となっておらず、投手陣の出来がカギとなりそうだ。
20日 第2試合(13:00) 中央学院(千葉1位)vs山梨学院(山梨2位)
中央学院はエース・畔柳舜は135キロ前後の速球、スライダーを駆使する右の好投手。ただ突出した武器があるわけではなく被安打が多い。それでも粘り強く投げ込んで勝ち進んだが、関東大会では別人のような投球を見せるか。ただ打線の迫力は二季連続で甲子園出場した前チーム以上。1番・青木優吾、主将・長沼航、4番で強打の捕手・和田 将幸、対応力の高さが光る6番加藤 公翔、7番打者ながら逆方向にも長打が打てて勝負強さが光る高鹿 隼人などタレント揃い。県大会で見せた終盤での粘り強さを発揮することができるか。
対する山梨学院は、大会前に横浜高野球部元部長の小倉清一郎氏を招へいし、指導を受けてきた。苦戦を制した今年のチームは突出したタレントはいないが、1年生捕手・栗田勇雅や、甲子園で本塁打を放ち、県大会準々決勝で2打席連続本塁打を放った野村健太が中心。また投手陣では継投策で逃げ切りを図る。投打の力を一致団結をして選抜をつかみたい。
[page_break常総学院登場の大会2日目]常総学院登場の大会2日目
山内翔太(習志野)・岡田幹太(常総学院)・飯島一徹(東農大三)
21日 第1試合(9:00) 習志野(千葉2位)vs桐生第一(群馬2位)
習志野は好打者・根本翔吾を中心にミート力が優れた選手が多く、注目すべきは走塁。ランナー二塁からシングルヒットが出れば生還できる確率が高く、隙がない。投手陣では関東大会から背番号1となった飯塚 脩人と左の技巧派・山内翔太の出来に期待したい。
対する桐生第一。強いときの桐生第一は投打に力がある選手を揃えるが、今年も大型チームとして関東大会に乗り込んできた。投げては伸びのある直球で押す右の本格派・杉山直杜は関東大会のピッチング次第では来年のドラフト候補として期待できる逸材。また前チームから活躍している本木康介も楽しみな本格派だ。切り込み隊長・工藤ナイジェルは出塁すれば、盗塁を仕掛ける俊足が持ち味。パワフルな打球を放つ石原優大も見逃せない。
試合巧者の習志野か?それとも桐生第一が群馬大会で見せたハイパフォーマンスを見せてくれるのか?
21日 第2試合(11:30) 佐野日大(栃木1位)vs東農大三(埼玉2位)
佐野日大はエース右腕・松倉亮太の出来がカギ。県大会ではほとんど失点を許さず勝ち上がってきた。打線は強打の捕手・橋浦大知を中心に一気に畳みかける攻撃が魅力。決勝でも作新学院に勝利し勢いに乗っている。
東農大三はエース・飯島一徹に注目。恵まれた体格から振り下ろす速球は埼玉県大会で最速139キロを計測した右の本格派。さらに体ができてくれば、140キロ越えが期待できる。打線は長打力のある打者は少ないが、勝負所を見逃さず一気に畳みかける攻撃力が見逃せない。
21日 第3試合(14:00) 常総学院(茨城1位)vs桐蔭学園(神奈川2位)
今大会の優勝候補ともいっていい常総学院は投打に逸材が揃う。菊地竜雅(1年)は県大会で最速144キロをマーク。エースの岡田幹太は140キロ前後の速球、スライダー、カーブを投げ分ける本格派。岡田の出来が選抜のカギを握っているといえる。また、渡部聡、和田 流希哉は130キロを超える右腕で、投手陣の駒は豊富だ。
また野手陣では走塁面がレベルアップ。下級生の時からクリーンナップとして活躍している3番・菊田拡和 4番・斉藤勇人、好打強肩の捕手・菊地 壮太が残っており、戦い方も落ち着いている。投打ともに力を発揮すれば、優位に試合を進めていきそうだ。
対して桐蔭学園はバットコントロールが優れた森 敬斗、パンチ力ある打撃で打点を稼ぐ上川 航平がキーマン。
[page_break優勝候補・横浜、東海大甲府の注目ポイントは?]優勝候補・横浜、東海大甲府の注目ポイントは?
中山航(藤代)・及川雅貴(横浜)・村田賢一(春日部共栄)・加藤匠(東海大甲府)
22日 第1試合(9:00) 春日部共栄(埼玉1位)vs藤代(茨城2位)
ともにエースが柱のチーム。春日部共栄はエース・村田賢一は130キロ後半の速球を投げ込み、さらに打っても4番とチームの柱。
対する藤代のエース・中山航は最速140キロを超える速球を投げ込む本格派右腕。苦しい戦いが続きながらも試合を制した中山のピッチングがカギを握る。
22日 第2試合(11:30)横浜(神奈川1位)vs 甲府工(山梨3位)
優勝候補・横浜がついに3日目の第2試合に登場する。2019年度の目玉・及川雅貴、さらに1年生には木下 幹也、松本 隆之介の140キロ超えがいて、右サイドの黒須大誠が控える投手陣は関東どころか全国的に見てもトップクラス。打線では県大会準決勝で劇的なサヨナラ弾を放った強打の1番・小泉龍之介、天才的なバットコントロールを誇る度会隆輝、広角に長打が打てるロングヒッターで、巧みな一塁守備を見せる内海貴斗と逸材を揃える。
甲府工は県大会でも本塁打を放った4番主将・中島碧斗がキーマンとなりそうだ。
トリを飾る東海大甲府はなんと大会4日目の登場。東海大甲府のエース・加藤匠に注目。勢いあるフォームから130キロ後半の速球を投げ込む右投手で、県大会でも5回無安打のピッチングを見せた。また打撃もよく、投打で活躍を見せることができるか。また上位・下位と能力が高い選手を揃え、関東大会の頂点を狙う。
さて甲府の地で一気に名前を挙げるチーム、選手はどこになるのか。選抜をかけた熱い戦いにぜひ注目してほしい。
(文=河嶋 宗一)