経験者が残る日大三、二松学舎大附ともに秋は実力校と対戦!都大会出場を巡り各ブロックで好カードが満載!
甲子園4強の日大三、夏苦戦の都立杉並と初戦で激突
昨年の秋季東京都大会を制した日大三
夏の甲子園大会の余韻がまだ残っているが、来年に向けての戦いは既に始まっている。東京では9月8日から269校、250チームが参加し、都大会の64枠を巡り、1次予選が行われる。
この夏甲子園を沸かせた日大三と二松学舎大附は、経験者も多く残り、秋季都大会でも優勝候補の筆頭である。
しかし、この夏甲子園で4強に進出した日大三は、西東京大会の初戦の都立杉並戦では前半リードを許し、あわや初戦敗退かという大苦戦であった。その都立杉並と、1次予選の初戦で再度対戦する。都立杉並はエースの平井嵩大をはじめ、夏の経験者が多く残り、リベンジに燃える。
二松学舎大附は初戦で、この夏シード校になった上野学園と対戦。勝てば好捕手の木下優成らがいる東海大高輪台と対戦する。二松学舎大附と東海大高輪台の対戦となれば、1次予選最高のカードとなる。
日大三は、来年の高校球界の目玉になる可能性がある井上広輝、廣澤優投手を擁し、強肩捕手の佐藤英雄も経験を積んでいる。二松学舎大附は、海老原凪、山田将義のバッテリーや東東京大会で.778という驚異的な打率を残した野村昇太郎など、経験者が多い。
実力ならこの両校が負けることはないと思うが、甲子園で活躍した分、新チームの始動は他校に比べ約1カ月遅れた。そこが1次予選の不確定要素でもある。
私立の強豪VS都立の強豪
夏の東東京大会で準優勝した都立小山台
金足農の健闘は高校野球の枠を超えた関心を集め、東東京大会では都立小山台が準優勝するなどこの夏公立旋風が起きたが、都立の強豪の多くにとって、秋は厳しい対戦になった。
2年前の秋季大会の4強で、西東京の都立の星である都立日野は、安定した戦いをする関東一といきなり対戦する。初戦として屈指の好カードだ。
この夏ベスト16の都立昭和は、順当なら代表決定戦で、小松涼馬、澤石淳平の二遊間コンビなど、1年生が充実する帝京と対戦する。
安定した投球が光る高橋涼を擁する都立高島は、この夏8強の創価と対戦する。
逆に言えば、本大会に出れば優勝候補になる可能性のある関東一、帝京、創価は、1次予選から都立の強豪と気の抜けない戦いをすることになる。またこの夏西東京大会で8強の都立国分寺は、東東京大会の8強である安田学園と初戦で対戦する。
この夏、二松学舎大附に善戦した都立王子総合は、同じく都立の強豪である都立府中工と対戦し、勝者は順当なら西東京大会準優勝の日大鶴ヶ丘と対戦するという激戦区に入った。
都立城東は日大二と同じブロックに入っており、熱戦が予想される。都立江戸川と駿台学園が入ったブロックも注目される。都立豊多摩と都立篠崎は師弟対決。都立篠崎の牛久保和哉監督は、都立日比谷に在学中、都立豊多摩の平岩了監督の指導を受けている。
[page_break:早稲田実、東海大菅生、国士舘も難敵と対戦]早稲田実、東海大菅生、国士舘も難敵と対戦
全国屈指の強豪校となった東海大菅生
伊藤大征、長谷川航大のバッテリーに、打の中心である生沼弥真人らが残る早稲田実や、小山翔暉、杉崎成らの打棒が注目される東海大菅生も、都大会の優勝候補になるが、本大会の前に、難敵が待ち構える。
早稲田実は順当なら代表決定戦で、勝俣秀仁監督の下で鍛えられている聖パウロ学園と対戦することになる。
東海大菅生は順当なら代表決定戦で、昨秋4強の日大豊山と対戦することになり、こちらも好勝負が予想される。
工学院大附の渡邉充は身長187センチの長身から力のある球を投げ、今後の成長が期待されているが、夏は4回戦で国士舘に敗れた。この両校、同じブロックに入り、代表決定戦での対戦が予想される。渡邉が夏から大幅にメンバーが変わる国士舘にリベンジを果たすか、ベテラン・永田昌弘監督が鍛えた国士舘が再度立ちはだかるか、この一戦も楽しみな一戦だ。
この春、修徳監督としての実績のある小田川雅彦が監督に就任し、チーム力を上げている堀越は、同じ中野区のライバルである明大中野と初戦で対戦する。
ともに昨夏のシード校である共栄学園と日本学園、実績のある東京実、早大学院の試合も、初戦で当てるのは惜しいカードである。
本大会の出場校が48校から64校に増えて3年目。本大会への道は広がったが、今年は1次予選から好カードが多い。新チームで、チームとしてはスタートしたばかりなので、思わぬ波乱も予想される。1次予選をどう乗り切るかで、本大会の優勝争いの構図も変わる可能性がある。
(文=大島 裕史)