目次

[1]古豪の仕上がりに注目 広島西地区
[2]新鋭の台頭を見逃すな 呉地区


昨秋、広島県大会を制した盈進の下江秀弥投手

 県大会に先立ち、3月24日から開幕する春季広島県大会地区別リーグ戦。今回は各地区別に注目校、注目選手の紹介を行いたい。

古豪の仕上がりに注目 広島西地区

 Aゾーン注目の存在が広島工大高高。昨秋1年生ながらエースナンバーを背負った左腕・中間 壮史は要チェック。県大会、そして4強まで勝ち進んだ1年生大会では、丁寧なコーナーワークが光っていた。一冬を越えて球威がどこまで伸びているか。楽しみにしたい。
 Cゾーンの名門・広島商は、新チームで内野手から投手に本格転向を果たした主将・松井 将真がカギを握る。しなやかなフォームから投じられるスピンの効いた直球は、投手歴の浅さを感じさせない完成度だ。
 Bゾーンに入った崇徳も、毎年きっちりチームを仕上げてくる強豪。夏を占う意味でも見逃せない存在だ。

好素材がズラリ 広島東地区

 有力校がひしめく東地区は各ゾーンに見どころたっぷり。Aゾーンには昨秋準優勝で中国大会を経験した広島国際学院。秋にエースナンバーを背負った柴嵜 竜也だけでなく、小谷 勇太、外野手兼任の平田 翔真ら実力のある右腕が揃う投手陣が大きな武器。熾烈なエース争いを経て個人個人がどこまで実力を伸ばしているかに注目だ。
 Bゾーンには昨夏の甲子園準優勝メンバーの残る広陵が入った。甲子園のマウンドで140キロ代半ばの快速球を連発した今季の広島を代表する本格派右腕・森 悠祐、1年生ながら甲子園でベンチ入りを果たした鉤流 大遂、旧チームでも1番・遊撃を務め、積極的なスイングが光る髙田 桐利ら、今年も投打に好素材がズラリと並ぶ。更には1年生大会で優勝の原動力となった新2年生バッテリーも控えている。柔らかなフォームが持ち味の左腕・石原 勇輝、安定感のあるキャッチングで投手を乗せていく秋山 功太郎も出場機会を虎視眈々と狙っており、選手層の厚さは今年も県内随一と言っていいだろう。
 Cゾーンの高陽東には「ポスト中村 奨成(広陵→広島)」と噂される注目捕手・黒川 直哉がいる。秋の時点でも高く評価されていたスローイングはもちろん、一冬で課題と言われていた打撃がどこまで上がっているか。攻守ともに熱視線が注がれそうだ。

今年も勢い衰えない広島新庄 北部地区

 北部地区はCゾーンに入る広島新庄が、やはり注目の存在。昨秋は「まさかの」初戦で広陵とのぶつかり合いとなり、早々とオフへ突入したが、今年も地力は高い。
 2年生だった昨年春から夏にかけて登板を重ねた竹辺 聖悟は、先述の森 悠祐広陵)と並び、今季の広島を代表する右の本格派だ。162cmのサイズを忘れさせるような、スピード感のあるフォームから繰り出す直球には打者を圧倒するキレがある。この竹邉を追いつけ追い越せとグングン伸びている新2年生・桑田 孝志郎からも目が離せない。エースを務めた昨年の1年生大会では、会場となった三次きんさいスタジアムのスピードガンで140キロ代の速球を連発し、スタンドを騒然とさせた。ブレーキの効いた縦カーブを使いこなし、三振奪取能力も高い。竹邉、桑田ともに動きの端々に高い柔軟性を感じさせ、フォームのバランスもピカイチだ。投手陣だけでなく、旧チームから中軸を任されていた髙野 智裕ら野手陣の経験値も高く、今年も上位候補に間違いない。