第1050回 緻密な機動力野球で強豪校を次々と撃破。名将率いる東播磨(兵庫)は来夏まで侮れない!2020年11月09日

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【目次】
[1]始動は遅くてもセンターラインは例年より固まっていた
[2]野球脳を鍛える東播磨の走塁練習


 今年、秋季近畿大会出場を決めた東播磨東播磨の野球といえば、相手のスキをつく高度な走塁だ。その走塁を指導しているのが、福村順一監督だ。加古川北時代は2008年夏、2011年春に二度出場を導いた名指導者だ。近畿大会出場するまでどんな構想を掲げてチームを作り上げていたのか。

始動は遅くてもセンターラインは例年より固まっていた



福村順一監督(東播磨)

 今年は多くのチームがこの夏、3年生主体で臨んだが、それは東播磨も例外ではなく、今年の1,2年生たちはほとんど公式戦を経験していない。ただ福村監督は「独自大会の開催が決まった時点で、今の1,2年生たちだけでチーム作りをする準備を進めていました」と語るように、遅れを取り戻すために別働隊で動いていた。

 もちろんスタートが遅いことは影響があった。まず支部予選初戦では実力校・小野に2対4で敗退。敗者復活戦に回ったが、2連勝して県大会出場を決めた。福村監督は「まだ新チームがスタートして間もない頃でしたので、勝負の厳しさ、プレッシャーがかかった場面を経験したことがない選手たちばかり。逆に2試合公式戦を経験できて、良かったと思っています」と敗者復活戦を経験できたことを前向きに捉えていた。

 今では近畿大会出場を決め、市立和歌山相手にも接戦を演じ、一目を置かれる存在となった東播磨。しかし新チーム当初は「一生懸命やる子なんですけど、まだ野球を理解できていないんです」と厳しく評価をしていた。

 経験不足な面が課題であることを理解しながらも、秋季大会である程度戦えるチームになるためにセンターラインを中心に戦力を固めてきた。

 まず中学時代、2.3番手だったエースの鈴木 悠仁は入学から球速を大きく伸ばし、140キロ近い速球を投げ込む本格派右腕へ成長。そしてリードする正捕手・田中 慎二も福村監督が認めるほどの急成長。そして1年生の高山 隼は福村監督や、野球関係者も高く評価する守備力が誇るショートストップとして台頭。もともと遊撃手だった主将の原 政宗がセカンドに回った。原はセカンドとして強肩の選手で、福村監督は「併殺がとりやすくなりました」と、守備面でも手応えを掴み、夏休みの練習試合では智辯学園相手に勝利を収めるなど、一定の成果は収めた。

 そして主将の原は走攻守の中心で、野球を一番理解できている選手だと評価する。先輩やコーチによると、主将タイプではなかったようだが、今では誰もが頼りにする主将へ成長。実際に話をしていても頭の良さが分かり、しっかりと主張ができる選手。インテリジェンスが問われる東播磨の野球にはふさわしい主将だ。

 大会前、福村監督の構想の中では、秋季県大会を勝ち抜き、近畿大会に出場して、近畿大会ベスト4以上に入ってセンバツを目指すというものではなく、緊張感のある県大会を何試合か経験して、ベスト8までいければ、来春、来夏につながるという考えだった。

 これは謙遜ではなく、中学の強豪チームの主力が軒並み私学や甲子園常連校へ行くのに対し、東播磨は地元の中学軟式が中心。そういったチームに勝てるには、長い時間が必要だと冷静に捉えていた。

 取材日は8月31日(月)。通常だと部活動は休みの予定だったが、「しっかりと練習をすれば、ベスト16以上は狙えるチームでしたので、大会の2週間前の過ごし方が本当に大事です。なので、他部活が休みのときに練習をしようと思いました」。休みの日を変えて練習を行った。

 グラウンドは常に全面を使えるわけではなく、普段は陸上部、ソフトボール部、サッカー部と他部活が兼用。さらに強豪校のように照明器具もなし。冬場になると17時前には暗くなり、19時には完全下校をしないといけない。そのため、アップの時間を長く取れないため、選手たちはグラウンドまでダッシュをするなど、選手自らしっかりと練習に入るための工夫を行っている。

 公立校にありがちな制約の中、質の高い練習ができるために練習スケジュールを組んでいた。

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編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
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  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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