目次

[1]安定したバッテリーに意外な選出だった福岡主将
[2]勝ち上がっていけた経験をプラスに


 この夏、佼成学園は非常に悔しい敗戦を喫した。

 夏の西東京大会の決勝戦で東海大菅生と対戦した佼成学園は、9回表に1点勝ち越すことに成功するも、直後の9回裏に同点に追いつかれる。その後、延長10回にサヨナラ打を浴び、掴みかけた栄冠は幻と消えた。

 そんな中で迎えた新チーム。
秋季東京都大会一次予選は無事に突破し、2試合で20得点を叩きだした。チームのここまでに迫った。

安定したバッテリーに意外な選出だった福岡主将


 「精一杯やったので、相手を称えるべきじゃないですか。(東西対抗戦の)帝京戦を見ても、あれだけ粘るチームですから。本来であれば9回で終わってしまうところですが、非常にタフだチームだなと思いました」

 藤田直毅監督は夏の大会を振り返り、東京の頂点に立った東海大菅生を笑顔で称えた。
 結果的にチームは準優勝と悔しい結果に終わったが、チームの戦いぶりは満足できるものだったからだ。

 そして夏の好成績は、新チームの快調な出足にも直結した。
 夏に獅子奮迅の投球を見せた速球派右腕・前野 唯斗、そして捕手としてバラティーに富んだ投手陣をリードした野沢 京平のバッテリーが残ったことで、高いゲームメイク力がチームの土台となったのだ。

 「野球の王道として、やはりバッテリー中心のチームだと安定した戦いができます。
 前野、野沢のバッテリーがちゃんとしてくれてるところで、比較的チームは出来上がっているのかなという印象を持っています」(藤田監督)



福岡元翔主将

 1つ心配の種だったのは「主将選び」だった。
 今年は御多分に洩れず、佼成学園も春先からの3ヶ月以上を活動休止を余儀なくされた。新チームの主将を見極める期間も少なく、夏の大会も3年生中心にチームを構成。

 そこで藤田監督はこれまでにない試みとして、選手間で主将を決めさせたのだ。

 「いつもは自分で決めていましたが、長く1、2年生と会っていなかったので。
 その中で主将に決まった福岡 元翔も意外な選出で、僕の中で別の選手かなと思っていました。ですが、それも大事なことだなと思って任せてみることにしたんです。
 むしろみんなに聞いたことが功を奏して、新たな人材を発掘できたと捉えています」

 福岡主将のキャプテンシーを、藤田監督は「バランスの良い主将」と表現する。
 自分一人で頑張ろうとするのではなく、選手全員で考えながら一個ずつチームを進めていこうとする姿勢が見えるという。

 安定したバッテリーに、意外な選出から始まった信頼できるリーダー。
こうして佼成学園の新チームは、順調な滑り出しを見せた。