目次

[1]一瞬の気のゆるみを逃さない興南の練習
[2]魂知和野球に込められた超効率的練習



 夏にかけて、急速に力をつける興南。そこには計画的な取り組みが成長につながっていた。後編では、興南のウリである緻密な守備を築き上げる効率的な内容について迫っていきます。

前編はこちらから!
2年ぶりの甲子園へ 興南(沖縄)の課題とキーマンは??【前編】

一瞬の気のゆるみを逃さない興南の練習


 現在、練習時間を短縮している興南。それだけに中身の濃い、一瞬たりとも気の抜けないグラウンドとなっている。

 アップが終わったナインが次の練習に移ろうとしたときだった。我喜屋優監督は、ナインの僅かな隙を逃さない。「もっと早く(次の動作に移るよう)出来るだろ!」前もって、全員がシューズをどこに置いておいたら効率がいいか。それを話してみんなを元に戻し、もう一度次の動作に移る直前だった。

 「誰だ!シューズを石の上に置いているヤツは!」親から買ってもらったスパイク。実際、石の上に置いただけでは歯が欠けることはないだろう。しかし、そういう心構えではチャレンジャーとして臨むべくもない。全員に緊張感が漂うほどの凄みが、我喜屋優監督から溢れていた。

 ただ緊張感があるだけではない。それは走塁練習のこと。我喜屋監督が両手を広げ、腕を下ろす具合によってバックかゴーかの走塁。部員数の多い興南は、レフト線に13人が並び一斉に練習。中には監督に引っ掛けられて遅れる部員も出たが。
 「しっかり!〇〇(名前)一人で行け行け!(笑)」

 一人の選手を周りが囲みながら掛け声を掛けるシーンと言えば想像がつくだろうか?我喜屋優監督も乗る。その一人に対し両腕を広げる。上手くバックかゴーが出来てのち、最後のスライディングで、周りから「ナイス!」と拍手が起こっていた。