第640回 鞍手(福岡) 県内屈指の進学校を取り囲む壁、そしてカギを握る高い理解力【前編】2019年11月20日

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【目次】
【鞍手の練習の模様をギャラリーでチェック!】
[1]野球人口が減少する厳しい現実
[2]理解力の高さを生かしたミーティングがチームを支えてきた

 全国屈指の激戦区の1つである福岡県。今夏は春の選抜出場に続いて、筑陽学園が連続で甲子園に出場したが、1回戦で栃木代表・作新学院に敗れた。そして新チームとなった秋季大会では、福岡第一が優勝した。

 他にも、私立勢では九州国際大付東福岡福岡大大濠西日本短大附。公立では東筑に秋の大会4強入りの八幡南に宗像が昨今の福岡の高校野球をけん引しているが、今回は、そんな福岡県内で文武両道を貫き、甲子園を目指す公立校・鞍手のグラウンドへ足を運んだ。

野球人口が減少する厳しい現実



短い練習時間の中で野球も勉強も両立しながら取り組む鞍手野球部 

 2018年の福岡県の21世紀枠の推薦校に選出された鞍手は、筑豊地区にあたる福岡県直方市の山間に学校を構える。創立は100年を超える伝統校で、野球部は甲子園に出場経験がないが、文武両道のなかで日々の練習に打ち込んでいる。

 学校の敷地内にグラウンドがあり、広さも十分確保された立派なグラウンドなのだが、現在の部員数は2学年で18名。人数は少し寂しいのが鞍手の現実である。
 現在、鞍手の指揮を取る甲斐義啓監督は、「野球経験者でも、『鞍手では勉強をしたい』とか、『野球は中学までで良いです』という生徒も中にはいます」と少し苦笑いをしながら厳しい状況を語る。

 この問題は鞍手だけではなく、筑豊地域全体が人口の過疎化の影響で野球部員も減っている、という社会問題の余波を受けてのものだ。
 鞍手では「学校説明会の時に試合結果のチラシを配ったりしてアピールしていますが、少ない人数を取り合う形になっていますね」と現場の現状を語る。

 選手はもちろん、保護者も一緒になって、チラシに書かれた結果を興味深く見てくれるそうだが、野球よりも、進学結果も重視する家庭のほうが多いという。そのため、鞍手野球部では、野球と勉強のこの2つの両立を求められているのだ。

 そんな中で昨秋は県大会ベスト16入りし、21世紀枠の推薦校に選出。そして新チームも秋の大会はAブロックの4回戦まで勝ち抜いた。公立校であるため、長期休みでは当たり前のように課題が出て、日々の練習でも完全下校時間が19時と決められている。

 人数も少なく、練習時間は2時間半と限りがある中で、結果を残す鞍手の強さの秘密はどこにあるのか。甲斐監督や、チームの中心選手にフォーカスしていくことで紐解いていきたい。

【次のページ】 理解力の高さを生かしたミーティングがチームを支えてきた

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