第631回 太く強固な84本の矢となって東東京を勝ち抜く! 都立小山台(東京)【後編】2019年06月13日

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【目次】
【都立小山台の練習の様子をギャラリーでチェック】
[1]効率的かつ合理的に練習に励む
[2]「常に挑戦者」を忘れずに

 昨夏の東東京大会、決勝で二松学舎大附に敗れはしものの、準決勝では全国制覇実績もある帝京を下した都立小山台。この春の東京都大会でも、名門早稲田実業を下してベスト4に進出。準決勝でセンバツ甲子園帰りの国士舘に屈したものの、その戦いぶりは「都立小山台は勝負強い」ということを印象づけた。後編では、夏へのキーマンに話を伺った。

 思いを語りぶつけ合う、日誌こそが小山台野球、強さの秘訣 都立小山台(東京)【前編】

効率的かつ合理的に練習に励む



都立小山台の池本仁志、佐藤晃の二遊間コンビ

 都立小山台は、練習時間が短い中でより効率的、合理的に練習を進めていく。また、自転車置き場や、校舎の隙間やちょっとしたスペースもトレーニングの場として利用していく貪欲さもある。そうした姿勢も伝統であり、強さの秘訣の一つの要素でもあるのだ。

 新チームで主将になった池本 仁志君は、「前チームが準優勝をしたことで、自分たちはマークされる立場にもなるし、チームのスタートも遅かったので、不安もあった」と、新チームスタート時の正直な気持ちを語っていた。

 副主将の佐藤晃君も「一人ひとりの力としては、前のチームに比べてまだまだ落ちると思います。だけど、都立小山台の伝統でもあるまとまりの良さ、それが自分たちの色だという意識を持っていて、勢いに乗れたら一気に流れを作っていく、そういう力は受け継いでいかれると思っていた」と言う。

 技術的には、池本君は「打撃に関しては去年はつなぐことを考えていたけれども、チームの主軸となっていく新チームでは長打も打てる選手になっていかなくてはいけない」ということを考えた。そのために、冬のトレーニングでは食事を意識してパワーを付けていくことと、スイング強化に徹して振り込んでいったという。

 一方、佐藤君は「セーフティーバントなど、小技も決めていかれるように、その精度を磨いていきたい」という自分の特色を生かしていくことを考えている。佐藤君は、比較的学校の近くに住んでおり、実は母親も都立小山台の卒業生だという。センバツ出場の際には、小学校高学年だったが、母親と一緒に甲子園へ応援に行き、「将来は、自分も小山台で野球をやろう」と決めたという。



エース・安居院勇源

 また、チームの柱としてマウンドに立って、今春もベスト4進出の原動力となった安居院勇源(あぐい たけもと)君は昨夏の東東京大会では背番号18でベンチ入りを果たしていた。「絶対的なエースとして戸谷さんがいましたけれども、自分ももちろん準備はしていました。公式戦は何があるかわかりませんから、心の準備は大事です。勝てると思ったら足元をすくわれるし、勝っていても気を緩めてはいけない」と、気持ちの作り方が大切だということを学んだ。

 ただ、昨秋の東京都大会では初戦で昭和一学園に敗れた。その折に、「2年生でベンチに入っていたということもあって、自分がチームを背負わなくてはいけないと思い込みすぎていた」という。それが、敗戦後に戸谷先輩から「自分だけで無理に背負うことはない。都立小山台にはいい仲間がいるんだ」ということを言われて、そのことで自分自身が吹っ切れたという。

 そして、冬の練習としては、自分自身を鍛えるということで下半身強化に徹した練習に取り組んだ。都立小山台の場合は冬の間も、メインは実戦練習なので体力強化トレーニングはあくまで、自分でやっていかなくてはならない。そういう中で、気持ちも強くなっていくのだという。

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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