個性派揃いのチームを引っ張るクリンナップが秋の敗戦で得た事!函館大柏稜(北海道)【後編】
秋の駒大苫小牧戦の敗戦で函館大柏稜は、チームと個人は何に気が付き、何を得たのか?前半は、投手陣の気付きと成長にフォーカスした。後半の函館大柏稜のクリンナップに迫りたいと思う。
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函館大柏稜のクリンナップにも注目!
左より、松井幸大、西川蓮、塩谷耀生(函館大柏稜)
3番遊撃手の塩谷耀生(しおや・てるき)は、攻守にチームの要である。
「自信があるのは守備です。捕球してからの速さ、握り変えの速さには自信があります」
とショートストップとしての自信が見える。
打撃では、出塁率を上げていくことを目標としている。塩谷の出塁率が上がれば、4番西川蓮、5番松井幸大が後ろに控えるだけに、得点力が更に上がってくるだろう。
「冬を超え、スイングスピードが上がったと思います」
と塩谷も冬場での成長を感じている。
夏では、「安定感のある守備を見せ、打撃ではチャンスで1本打てるようになりたいんです」と語ってくれた。
そのためには、精神力を強くしたいと話した塩谷、夏まで貪欲に成長を目指すつもりだ!
チームの4番に座り、一際大きな体付きの西川蓮も冬場での成長を感じている選手の1人だ。
「瀬渕(一清)部長と一緒にトレーニングをメインに行ってきて力はついてきたと思います」
と、駒大苫小牧戦に感じた体つきやパワーの差を着実に埋めてきたのがわかる。
「練習試合でも対ピッチャーのことだと、去年よりも力負けしないので力がついていると思います」と冬場での成長を実感している。
「チームが苦しい時一本打てればチームも盛り上がる。自分が打てば勝てると思うので、勝負強く一本打てるようになりたい」と力強く話してくれた。
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左より、松井幸大、塩谷耀生、西川蓮、櫻庭大斗、奥本悠吾(函館大柏稜)
そして、主将としてチームを引っ張り5番を打つ松井幸大も状況判断のすぐれた注目の選手だ。大柳昭彦(おおやなぎ・あきひこ)監督の考える野球が体現出来るようになってきていると話してくれた。
「大柳監督がフライを上がった時にこうするんだよというのを細かく教えてくれたので、そういうところで頭で考えるよりも体が反応するようになって良くなってきたのかなと思います」
もちろん、野球頭以外にも個人のパフォーマンス向上にも期待が持たれる。
「冬場はハウスがあるのでそこでティーバッティングを打ってなんとか打撃力をアップさせてきました。外の球をしっかり狙い撃ちして、右方向に打てる練習をしてきました」
と目的を持って冬場を過ごしてきたことを話してくれた。
最後に松井は主将として、チームの目標を語ってくれた。
「積極的なあるバッティングができるチーム、声の出るチームにしたいです。一戦必勝で全国大会に出場したいと思います」
個々がレベルアップした冬、その結果を出すことで目標に近づけるに違いない。夏まで100日を切っている。函館大柏稜のラストスパートに期待したい。
編集後記
主将の松井幸大が、座禅の話をしてくれた。 「野球部で座禅を潜龍寺で2回ほど組ましていただきました。そういうのでは精神力が上がると思います」
禅といえば、日本だけでなくスティーブ・ジョブズを始め名立たるビジネスリーダー達も興味を持っていたと言われている。この見えない力は、どんなところで現れるのか?こちらにも期待してみたい。
(文・田中 実)