山田健太(立教大)

【社会人で求められる数字を考える】

 社会人では二遊間レベルになるともっと上手い野手がいて、一塁ではさらに強打者がいる。大学時代でのパフォーマンス内容だと「中途半端」に見られ、ドラフト候補から脱落してしまうため、突き抜けたパフォーマンスを求められる。

 では、どんな数字を残せばいいのか?参考にするのは過去の社会人表彰選手野手の成績だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国的に大会が中止となった20年は除かせてもらった。

2019年 首位打者 日本生命・廣本 拓也(浪速ー法政大) 20試合 打率.434
    本塁打  トヨタ自動車・沓掛 祥和慶應義塾ー慶應義塾大)20試合 6本塁打
     打点   トヨタ自動車・沓掛 祥和慶應義塾ー慶應義塾大)20試合 20打点

2021年 首位打者 三菱重工East・久木田 雄介 (れいめい—第一工大)16試合 打率.444
      本塁打 NTT東日本・向山 基生法政二ー法政大)20試合 5本塁打
    打点   NTT東日本・向山 基生法政二ー法政大)20試合 20打点

 投手のレベルも高くなる社会人で、これほどの数字を残せば、「打撃型野手」として大きな強みになるだろう。

 最近、プロ入りした社会人出身のスラッガーといえば、日本ハムの今川 優馬外野手(東海大四ー東海大札幌キャンパスーJFE東日本)がいる。今川は、1年目の数字で公式戦打率.349、3本塁打、14打点。オープン戦を含めると年間16本塁打だった。

 またプロ1年目から10本塁打を放ったソフトバンク・野村 勇内野手(藤井学園寒川ー拓殖大ーNTT西日本)は、21年は打率.364で、本塁打は2次予選で1本塁打。これは予想以上にプロで本塁打を打った選手の1人だろう。

 今年は社会人屈指のスラッガーで、中日から7位指名を受けた福永 裕基内野手(天理ー専修大ー日本新薬)が10試合で打率.375、5本塁打、11打点とかなりの高水準といっていい。

 山田は会社のために貢献するのか、それとも自分のために成績を残すのか、心の拠り所は山田自身に委ねられるが、プロ野球選手となれば、常に個人成績と戦い続ける職業となる。そのプレッシャーに打ち勝ち、数字を残せるか。

 ただ、福永は中日の最下位指名、今川は6位、野村は4位指名と社会人スラッガーが上位で指名される確率は年々厳しくなっている。

 それでも山田はNPBで勝負したい気持ちはあるのか。来年からは結果を残すためにさらに厳しいシーズンが始まる。山田はそれを乗り越えられるポテンシャルの高さがあると信じている。

 2年後には多くの野球ファンが感動する結果になることを期待したい。

(記事=河嶋 宗一