山本ダンテ武蔵の三冠王チャレンジ!最終節の全打席を振り返る
山本ダンテ武蔵選手
東都大学野球春季一部リーグは國學院大が初優勝を収めた。その中でMVPを獲得したのが山本ダンテ武蔵(4年・大阪桐蔭出身)だ。
ダンテはシーズン開幕から大活躍。最終節を迎えるまでの成績は
10試合 打率.395 4本塁打 14打点
いずれも1位。東都大学野球リーグで三冠王は1回のみ。現在、千葉ロッテの井口 資仁監督が青山学院大学時代が樹立していた。
当時の成績 打率.348 6本塁打16打点
各項目の3位以内は以下となっている。
【打率】
1位 山本ダンテ武蔵(大阪桐蔭-國學院大).395
2位 古賀 悠斗(福岡大大濠-中央大).382
3位 佐々木 泰(県立岐阜商-青学大).371
【打点】
1位 山本ダンテ武蔵(國學院大) 14打点
2位 福永 奨(横浜-國學院大) 12打点
3位タイ 桂川 弘貴(桐光学園-立正大) 9打点
3位タイ 右田 稜真(二松学舎大附-亜細亜大) 9打点
【本塁打】
1位タイ 山本ダンテ武蔵(國學院大) 4本塁打
1位タイ 佐々木 泰(青学大) 4本塁打
3位 古賀 悠斗(中央大) 3本塁打
さらに本塁打と打点を争っているのが、中央大の正捕手・古賀だ。
そして中央大と國學大は優勝を争う同士で、第6週を終えての成績がともに8勝2敗。この両校が直接対決で優勝を争っている。
この週で優勝が決まるには、
中央大、國學院大の優勝条件
連勝もしくは1勝1分
1勝1敗 2引き分けの場合 優勝決定戦に突入。
そんなダンテの三冠王チャレンジを追った。
本塁打を打つ山本ダンテ武蔵(大阪桐蔭-國學院大)
ダンテの第1打席は2番川村選手のヒットにより、1回表、一死一塁の場面で打席に回るが、結果は勝負を避けられ、四球。第2打席は一死二塁で打席が回ったが、勝負をさけられ、四球となる。そして5番福永の犠牲フライで本塁へ生還。ダンテ選手は雄叫びをあげ、ナインたちとハイタッチしあう。
第3打席は5回表。2番川村が二塁打を放ち、一死二塁の場面で打席がまわってきた。
1球目がボール。そして2球目だった。豪快に振り抜いた打球はレフトへ。ダンテは確信したのか、バットをおいて打球を見送り、レフトスタンドへ。第5号のホームランで、単独トップに立った。
第4打席は遊ゴロ失策に終わり、第5打席は9回表、一死一塁で打席がまわったが、結果は遊ゴロ。
試合は延長10回表、主将の福永がフェンス上部にあたる二塁打で1点を勝ち越し。そしてこの1点を守りきり、國學院大で先勝し、優勝へ王手をかけた。
第1戦が終わり、各タイトル争いは以下となった。
【打率】
1位 川村 啓真(日本文理-國學院大).394
2位 山本ダンテ武蔵(國學院大).390
3位 高橋 隆慶(明秀日立-中央大).375
【打点】
1位 山本ダンテ武蔵(國學院大) 16打点
2位 福永 奨(國學院大) 14打点
3位 桂川 弘貴(立正大) 10打点
【本塁打】
1位 山本 ダンテ武蔵(國學院大) 5本塁打
2位 佐々木 泰(青学大) 4本塁打
3位 古賀 悠斗(中央大) 3本塁打
2番・川村が急浮上して、打率首位に躍り出た。川村は上位打線に繋ぐ役割に徹していた攻撃の2番打者で、14得点はリーグダントツトップ。1番山崎晃選手も12得点を記録しており、1,2番コンビが活性化していることにより、ダンテの高打点は叩き出していたといえる。
そして14日、勝てば優勝が決まる一戦。まず第1打席は大きな中飛。第2打席は左飛、第3打席は三ゴロに終わり、ここまで無安打。
第4打席は8回裏、1対2。無死満塁の場面で打席が回り、投手・大栄 陽斗(仙台育英出身)。ダンテは冷静に見極め、押し出し四球。この場面についてダンテは「気持ちでいえば、打ちたかったですけど、あの場面で同点に追いつくことが優先でした。ヒットと同じ価値があるのではないか」と振り返る。1点をもぎとった価値は大きかった。その後、連続犠飛で2点を勝ち越し、4対2で逃げ切り、國學院大が二度目のリーグ優勝。初の大学選手権出場を決めた。
最終的にダンテの成績は、
打率.364 5本塁打 17打点 となった。
打点王・本塁打王の二冠王に選ばれ、さらにはMVP選出。一気にブレイクを遂げたシーズンとなった。ダンテは「やりきった結果が二冠でした。チームに貢献できたことが嬉しいです」と笑顔を見せた。
國學院大に進学してからは初の全国舞台。自慢の強打を発揮できるか注目をしていきたい。
(記事=河嶋 宗一)