第253回 牧 秀悟 (中央大3年・内野手)「侍ジャパン大学代表」の重圧は プロ入り果たすための準備期間2019年12月14日

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「実質・侍ジャパン大学代表キャプテン」の重圧の中で



牧秀悟(中央大)
 

 「打つ方に物足りなさがありました」。2泊3日の代表強化合宿を終え、侍ジャパン大学代表・大久保 哲也監督が発した合宿総括。その「物足りなさ」にはこの右スラッガーも含まれていたことは間違いない。

 

 春は東都大学野球1部リーグ首位打者に輝き、侍ジャパン大学代表としても日米大学野球で主軸を張った牧 秀悟。秋も36打数13安打1本塁打11打点で30季ぶりとなる中央大の東都大学野球1部優勝に大きく貢献。

 リーグ戦後には初の最高殊勲選手・遊撃手での1度含め3度目のベストナイン(二塁手)を獲得した牧だったが、合宿中の紅白戦では「よくなかった」と本人も振り返ったように3試合通じて5打数1安打1死球。「トップを作った時の三角形がインパクトでもそのままになってしまっていますね」とあるNPBスカウトが指摘したように、攻守にわたって固さが目に付いた。

 ただ、今回の合宿について言えば牧にとっては重圧がかかる状況下にあった。明治神宮大会後には中央大の新主将に就任。侍ジャパン大学代表強化合宿でも大久保監督から実質キャプテンとなる「選手まとめ役」に指名され「紅白戦の試合中にみんなが声掛けしていたのはよかった。前のチームは学年や投手野手問わずつながりのあるいいチームだったので、今回もそういうチームにしたい」と全体を見る気遣いも。侍ジャパンのプライドを伝える作業が彼のプレーに影響を与えたことは想像に難くない。

「学びの材料」仕入れ、大学屈指の右スラッガーへ


 このように多忙かつ苦みを伴った坊っちゃんスタジアムでの3日間。それでも牧はダダでは転ばなかった。徳山 壮磨(早稲田大2年)に代表されるスピードボールを備える投手陣に対峙し「東都にはいないタイプ。今季よかったからといって満足してはダメということに気付かされた」。山田 健太(立教大1年)からも「強くスイングできる点は凄いと思った」と学びの材料を仕入れて帰京の斗についた。

 その先に見据えるものは、もちろん「3年時以上の結果を残せるように底上げして、プロ入りを意識してプレーしたい」。恐らくなるであろう侍ジャパン大学代表のキャプテンとしてハーレムベースボールウィーク制覇を目指し、そして大学屈指の右スラッガーになるために。牧 秀悟は春へ向かって成長の根を伸ばす。

(記事=寺下 友徳

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
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    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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