第213回 【逸材レポート】佐藤一磨(横浜隼人)「急成長!春から最速7キロも速くなった大型左腕」2019年07月18日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

 夏を盛り上げる各地のドラフト候補を紹介。今回は横浜隼人の大型左腕・佐藤 一磨投手だ。188センチの長身から投げ込む速球の最速は145キロ。注目を浴び始めた春よりもかなり進化した姿を見せてくれた。

日大藤沢戦の平均球速が春の最速より上回った



佐藤一磨(横浜隼人)

 一段階も、二段階もレベルが上がった瞬間だった。
 春の立花学園戦での最速は138キロ。アベレージは130キロ~135キロ。それが日大藤沢戦では常時130キロ後半~140キロ前半の速球、最速145キロ。つまり最速が7キロ、アベレージが5キロ~7キロ程度もあがっていたのだ。

 さらにこの試合の平均球速139.28キロは春の最速138キロよりも上回っていたのだ。ある程度、体が出来上がりつつ高校3年生でこんな短期間で球速アップした事例はなかなかない。ようやく恵まれた才能を発揮するようになっていたのだ。

 前半、日大藤沢打線も140キロ前半の速球を前に飛ばすことができていなかった。ほとんどが詰まった打球の内野ゴロ。本物の速球だった。コントロールも適度にまとまっており、ただの速球派ではない。

 変化球は120キロ前半のスライダー、縦スライダー、100キロ台のカーブを投げ、縦スライダーは空振りが奪える。カーブも目先を変えて、緩急をつけており、変化球の精度も上がっていた。

 さらに投球フォームも変化が出ていた。春では右手のグラブを軽く上げて、軽く添えるイメージからピュッと投げこむスタイル。夏ではだいぶ力強さが出てきた。ランナーがいなくてもセットポジションから始動する。右足をいったん上げてから、右足を本塁方向へ送り込む時、静止はしないが、ワンテンポ上げたり、下げたりする独特の動作がみられる。そこから右肩のグラブを下げて、テークバックを取って、トップを作ったときに大きく胸を張って縦振りで振り下ろす豪快な投球フォーム。足をあげてからじっくりと溜めを作って、一気に力を放出する技術を佐藤は掴んでいる。

 また佐藤はこの身長にしてはフィールディングの動きが軽快で、春ではバントをされた時、二塁封殺したプレーもあり、牽制も巧。クイックも1.2秒前後と悪くなく、走者が出てからも球威が落ちることはない。

 ただ急激な出力アップによって、初回はコンスタントに140キロ台を出していたが、5回には130キロ後半に落ちていた。

 今後のステージで佐藤に求められるのは、
・先発では常時145キロ前後を6,7回も維持できるスタミナとペース配分
・リリーフでは140キロ後半~150キロ前半
・変化球の精度アップ
になるのではないだろうか。今年、140キロ中盤~145キロを何度も出す左腕は及川 雅貴横浜)、宮城 大弥興南)の2人しかいない。佐藤は及川や宮城にはない「角度の高さ」がある。

 尋常ではない急成長を見せ、高校生トップクラスの速球派左腕へ成長した佐藤。敗れはしたが、日大藤沢戦のピッチングは大きく評価を高めるものだった。

関連記事はこちらから
佐藤一磨(横浜隼人)の力投及ばず!日大藤沢vs横浜隼人の詳しい試合経過
【選手名鑑】佐藤に投げ勝った武富 陸(日大藤沢)

2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会神奈川大会
■開催期間:2019年7月7~7月28日(予定)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会神奈川大会】
■展望コラム日大藤沢ブロックが最も熾烈!鎌倉学園、桐光学園の戦いの行方は?【前編】横浜、東海大相模を阻む学校は現れるか?ノーシードの実力校も分析!【後編】

文=河嶋 宗一

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第221回 2019年 佐々木朗希や赤坂諒など地方大会でキラリと光ったドラフト候補15名の投手たち【ドラフト特集コラム】
第937回 【神奈川大会総括】東海大相模圧巻の強さも魅せ4年ぶりV!公立校の躍進が目立つ!【大会展望・総括コラム】
日大藤沢vs横浜隼人【神奈川県 2019年夏の大会 第101回選手権記念 神奈川大会】
横浜隼人vs大磯【神奈川県 2019年夏の大会 第101回選手権記念 神奈川大会】
第918回 日大藤沢ブロックが最も熾烈!鎌倉学園、桐光学園の戦いの行方は?【前編】【大会展望・総括コラム】
第616回 見逃せない遠軽町の助成事業。目指すは町民の心を熱くするチームへ 遠軽(北海道)【後編】【野球部訪問】
第894回 桐蔭学園、慶應義塾もノーシード!今年の神奈川は例年以上に過酷な大会だ!【大会展望・総括コラム】
立花学園vs横浜隼人【神奈川県 2019年春の大会 神奈川県春季大会】
横浜隼人vs日体大荏原vs加藤学園【2018年 練習試合(交流試合)・秋】
横浜商vs横浜隼人【神奈川県 2018年夏の大会 第100回選手権記念 南神奈川大会】
第392回 横浜隼人高等学校 高橋淳彦選手「中本牧シニア出身のスラッガーは宮里だけじゃない!」 【2016年インタビュー】
第5回 第96回選手権神奈川大会 ここまでの戦いを振り返る!! 【2014年選手権大会】
佐藤 一磨(横浜隼人) 【選手名鑑】
横浜隼人 【高校別データ】

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム