Column

埼玉県屈指の本格派左腕・米山魁乙(昌平) スピードガンでは測れない圧力あるストレートは必見!

2019.04.22

 今年の埼玉県を代表する左腕の1人として注目を浴びている米山魁乙昌平)。昨夏は2年生ながらエースとして春日部共栄を破るなど4強入りに導いた快速左腕だ。

 176センチ77キロと恵まれた体格から投げ込むストレートは130キロ後半ながら球速表示以上に威力を感じさせるストレートが最大の魅力。県大会では唸りを上げる米山のストレートに驚く方も多いかもしれない。そんな米山の今年初登板となった三郷北戦から掘り下げていきたい。

花咲徳栄戦の負けをしっかりと活かして

埼玉県屈指の本格派左腕・米山魁乙(昌平) スピードガンでは測れない圧力あるストレートは必見! | 高校野球ドットコム
米山魁乙

 久々の公式戦登板だと振り返った米山。投球練習から全力投球。明らかにストレートの勢いが違う。ミットを飛ばすかのような勢いがあった。
 「今日は久しぶりの登板でしたので、全力で投げていきました」と米山。常時133キロ~138キロのストレートと、140キロを計測したボールは1球もない。だが、鋭い腕の振りから繰り出すストレートは球速表示以上のものを感じさせる。なんと変化球を一切投げず、ストレート1本で2回を投げて2奪三振。ジャストミートはさせない圧巻のピッチングだった。

 試合後、米山は「もっと出ている感じはしました」というが、スピードを測っていた筆者もそう思っている。この春から筆者は130キロ後半から140台を計測した右腕や左腕を見てきたが、左腕に関しては及川雅貴横浜)、宮城大弥興南)に負けないものがあり、大学生や社会人の左腕と比較しても、それほど劣っていないように感じた。それぐらい米山のストレートには圧力があったのだ。

 ボールを受けた佐藤克樹捕手は「本当に球速表示以上を感じさせるストレートで、回転数の高さも感じました」
 ではどうしてそんなストレートを投げることができるのか?それは高校2年時の5月の投球練習がきっかけだ。

 「僕は踏み出す時、踵から着地するのですが、踵からつま先に踏み出す時に、リリースですべての力を集約させるイメージですね。その感覚をつかんでから一気にボールが変わってきました」

 確かに投球フォームを見ると、セットポジションから始動し、右足をゆったりと上げてから、バランスよくたち、右足の膝を少しずつ伸ばしてから踵から着地を行い、テークバックを取ったとき、しっかりと胸を張って、勢いよく腕を振っていく中で、しっかりと指先に力が伝わった投球フォームをしていて土台の良さを感じさせる。

埼玉県屈指の本格派左腕・米山魁乙(昌平) スピードガンでは測れない圧力あるストレートは必見! | 高校野球ドットコム
米山魁乙

 その破壊力あるストレートを武器に北埼玉大会ではベスト4進出。秋でも躍進に期待がかかったが、地区予選代表決定戦で花咲徳栄と対戦し、7回コールド負けを喫した。

 「埼玉大会で左手を骨折したのが治り切っていないのはあったのですが、それでも甘いコースをしっかりとヒットにする打撃をみて、本当にすごいなと思いました」

 冬場は2日に1回のペースでウエイトトレーニングをしながら体を作り直したが、日々のピッチング練習ではもう一度、コントロールを見直した。

 「内外角、低めへしっかりと投げ分ける練習をしてきました。コントロールをもう一度見直してきました」
 今回は久しぶりの公式戦登板でオールストレートを投げ込んだ米山。本来はスライダー、カーブ、チェンジアップを投げる。

 県大会ではさらに調子を上げた状態で臨みたい米山。この春も埼玉県営を沸かせる投球を見せることはできるのか。埼玉屈指の快速左腕のピッチングに注目だ。

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.25

【静岡】夏のシード16校が決定、聖隷クリストファー、常葉大菊川はノーシード<春季県大会>

2024.04.25

筑波大新入生に花巻東、國學院栃木、北陸の甲子園組! 進学校からも多数入部!

2024.04.25

捕手から最速152キロ右腕へ。村上泰斗(神戸弘陵)は“球界人気理論”を生かしたマエケン流フォームでドラフト候補へ急成長!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.04.25

【秋田】昨秋の県大会王者・金足農は大館鳳鳴と対戦! 秋田修英と秋田中央が初戦で激突!<春季県大会組み合わせ>

2024.04.25

【群馬】健大高崎、前橋育英などがベスト8進出! 桐生第一は渋川青翠に敗れ夏ノーシードに<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!