第204回 石川昂弥、黒川史陽などスラッガータイプの実力は?逸材野手たちを徹底考察!【後編】2019年04月12日

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【目次】
[1]石川昂弥の課題は?
[2]甲子園以上のパフォーマンスを見せた黒川史陽(智辯和歌山)

 4月5日から行われた高校日本代表研修合宿は座学、紅白戦、実戦形式の練習があり、非常に内容の濃いものであった。全国トップレベルの選手が切磋琢磨する姿は見ていて面白いものがあった。選手を分析するものからすれば、これ以上ない機会をいただき、感謝を申し上げたい。最終回はスラッガータイプの選手たちに迫っていきたい。

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石川昂弥の課題は?



キーマンとして期待される石川昂弥(東邦)

 石川 昂弥東邦):投手/3年/185/87/右/右
 世界大会で重宝されるのは投手もこなせるスラッガータイプだ。これはアメリカ、韓国、台湾では当たり前に行っている戦略で、去年、アジア大会で優勝した韓国のキム・ソンヨン監督は選出基準で「メンバーが18人しかいないので、やはり投手と野手をこなせる二刀流の選手は優先的に選びました」と語るように、日本も同様の戦略を取ることになりそう。

 そこでキーマンとなるのが高校通算45本塁打を記録している石川 昂弥だろう。投手としては140キロ前後の速球とスライダーを内外角にコントロールできる制球力の高さ、野手が守りやすいリズムの良さ、抜群のフィールディング。世界を戦うにはこれ以上ない選手だろう。

 ただ研修合宿2日間の実戦練習ではシングルヒットが中心で石川らしい長打が見られなかった。打撃フォームを見ると前足でタイミングを取り、全体的に突っ込み気味。自分のポイントで打つことができず、打ち損じが多い。実は木製バットを使った愛知選抜の練習試合でも突っ込んで打ちに行くことが多く、この悪癖は木製バットになると顕著に出てしまう。金属バットではごまかせるが、木製バットではごまかせない。 

 日本が世界一を狙うには石川のようなスラッガータイプの活躍が不可欠。研修合宿では思うような結果を残せなかったことが石川を変えることができるか。



左:内海貴斗(横浜) 右:上田希由翔(愛知産大三河)

 内海 貴斗横浜):内野手/3年/182/77/右/左
 強打の一塁手だが、元気で明るい人柄が最大の魅力で、その場にいるだけで回りを明るくする。最終日のノックでは何度もノッカーを呼んで、ボールに飛びついたり、叫んで送球をしたりして、場を盛り上げていた。

 一方、打撃については渡辺元監督から指導を受けていた。ティーバッティングを見ると、バックスピンをかける練習をしていたように感じられた。

 実戦に入ると、クリーンヒットはいくつかあったが、他の左打者と比べるとあまり印象に残る当たりはなかった。ただ打撃フォームを見るとそれほど悪くなく、しっかりと手元で呼び込んで強いスイングができていたので、今後も木製バットでの練習を続けていけば、本塁打を打てる打者になるのではないだろうか。

 上田 希由翔愛知産大三河):内野手/3年/181/88/右/左
 昨年の愛知県選抜では長打を連発していた打者で期待度は高かったが、この研修合宿でも強打を発揮。広陵河野 佳が投じた143キロのストレートを左中間へ二塁打にした打球は圧巻だった。上田はそれほど捻りを入れず、手元まで呼び込んで縦振りのスイング軌道でボールを捉えるスラッガー型のスイング。ステップを見ると、ゆったりと足を挙げて、軸がぶれることなく、ボールを見ることができるので、速球、変化球にも対応ができる。

 現在、上田は高校通算29本塁打を放っているが、2年夏まで8本塁打。秋以降、21本塁打を放っている。長打力開花のきっかけは昨夏の甲子園。他校の打者たちの打撃をみて、実力不足を痛感。そこで上田は日ごろの打撃練習から「バックスピン」をかけることを意識。その感覚をつかんでいき、量産体制に入った。指導者と話をして、今年の日本代表を目指すつもりで取り組んでおり、今回の研修合宿ではレベルが高い投手と対戦したり、他の打者たちの打撃をみて、「自分はまだまだで、課題が多いと痛感しました」と現状の実力が分かる合宿となった。

 とはいえ、木製バットでこれほど完成度が高い打撃を見せる強打の一塁手はなかなかいないし、一塁手の守備も及第点を与えられるものがある。寡黙なスラッガーが評価されるには、今後の公式戦での活躍次第だろう。

【次のページ】 甲子園以上のパフォーマンスを見せた黒川史陽(智辯和歌山)

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副編集長 河嶋 宗一
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  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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