第1000回 21世紀枠代表は都市部よりも地方勢の方がやはり有利2020年01月27日

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【目次】
[1]2020年の21世紀枠選出の背景
[2]21世紀枠代表校の選考基準

 第92回センバツ高校野球の代表校が去る24日に発表された。選出された32校は秋季地区大会の上位校で、地区選出校は波乱もなく順当だったと言える。ただ、毎年選考を悩ますのは2001年の第73回大会から導入された21世紀枠の代表校選出だ。

2020年の21世紀枠選出の背景



21世紀枠に選出された平田

 今年の21世紀枠代表校は、東日本で北海道の帯広農、西日本で島根県の平田、全体枠で福島県の磐城ということになった。北海道からは鵡川遠軽に次いで3校目、福島県からも安積いわき海星に次いで3校目、そして島根県からは過去に松江北隠岐が連続して出場した実績もあり、益田翔陽に次いで4校目となった。21世紀枠で4校選出実績があるのは島根県のみだ。島根県の昨夏の参加が39校だったことを思うと、非常に高い確率ということになる。

 他にも、過去3校目が選出されている県を見てみると岩手県(一関一釜石不来方)、宮城県(一迫商利府石巻工)、徳島県(川島城南富岡西)と和歌山県(向陽海南桐蔭)とがある。徳島県は30校、和歌山県からは39校からの選出ということになる。

 その一方で、埼玉県、神奈川県、京都府、大阪府、福岡県などの加盟校も多く激戦区というイメージのところからの選出例はない。250校前後の加盟校がある東京都からも14年の都立小山台の一度だけである。加盟校数の多い地区としては愛知県が成章(08年)と豊橋工(15年)と2度選出されているが、190校近い加盟校数からすると必ずしも多いとは言えない。

 こうしてみると、21世紀枠で選出されやすいのは都市部よりも、むしろ地方と言われる地域ということになる。もっとも、その背景には21世紀枠の選出理由の一つとされている「地域活動と困難克服」という点からも、過疎地や地方で頑張って活動している学校は選出されやすいという背景はある。今大会でも帯広農平田はその理由にも該当するし、46年ぶりとなった磐城も地域一番の進学校で文武両道という側面もあるが、東日本大震災から立ち直っている途上で台風19号の被害を受けて被災地からの復興という面も大きいことは確かであろう。

 つまり、今年の3校も都市部というよりは地方都市からの選出である。
 もっとも、これは21世紀枠の選考基準を見てみると、そうなっていくことがある程度は自然だと思わざるを得ない。もう一度、おさらいすると、21世紀枠代表校の選考基準は次ののようになっている。

【次のページ】 21世紀枠代表校の選考基準

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札幌第一vs遠軽【北海道 2016年秋の大会 第69回秋季北海道高校野球大会】
安積 【高校別データ】
磐城 【高校別データ】
いわき海星 【高校別データ】
遠軽 【高校別データ】
隠岐 【高校別データ】
帯広農 【高校別データ】
平田 【高校別データ】
益田翔陽 【高校別データ】
松江北 【高校別データ】
鵡川 【高校別データ】

プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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