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第21回 【侍ジャパンU-18代表コラム】「世界一のキャプテンシー」は次世代へ 篠原 涼2015年09月07日

【目次】
[1]「熱さと冷静さ、気配り」の日本高校野球キャプテン
[2]「攻める」を貫き「ありがとう」を呼ぶ
[3]果たせなかった「世界一」は世代を超えて
聖地に降り注いだ雨は試合終了と共に涙に変わった~9月6日(日)、阪神甲子園球場での「第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」決勝戦。侍ジャパンU-18はアメリカ相手に勇敢な戦いを見せるも、1対2とあと一歩届かず。悲願の大会初優勝は3連覇を目指した盟主の前にまたしても夢に終わった。
しかし、これで高校野球は終わったわけではない。これからも「世界一」への道は続く。そこでコラム最終回は「JAPAN」を胸に付けた誇りをひとときも忘れず、チームをけん引してきたキャプテン・篠原 涼(敦賀気比<福井>3年)を紹介。「世界一のキャプテンシー」と次世代へ託すべきものを記していく。
「熱さと冷静さ、気配り」の日本高校野球キャプテン

篠原 涼(敦賀気比)
実は大会半年前に「侍ジャパンU-18」主将はほぼ固まっていた。場所は阪神甲子園球場でのセンバツ準決勝。大阪桐蔭(大阪)の指揮官として敦賀気比戦に臨んだ西谷 浩一・侍ジャパンU-18代表監督は、劣勢に立たされながら相手校のキャプテンに関心を寄せていた。そう、篠原 涼のことである。
「この子の人間性は素晴らしいものがあると感じました。その後も試合や甲子園の中継を見ていても、彼の人間性の良さが伝わってきましたので、スタッフと話し合って彼に主将を任せようと決めました」
その選択は大正解だった。2対9と完敗に終わった侍ジャパン大学代表との壮行試合後は早くも「沈んだ気持ちでは戦いに向かえません。常に声を出して盛り上げていけるように選手間ミーティングで話していきたいと思います」と敦賀気比の時と同じく厳しさと一体感を持ってチームを率いることを宣言。事実、大会を追うごとにチームベンチからは激励の声が飛び交い、質の高いアドバイスが出るように。アメリカ戦も16歳左腕・ブラットの前に手も足も出なかった3回までが嘘のように、中盤以降は対応し、かつプレッシャーを与え続けた。彼らは「戦う集団」に変貌したのである。
「僕は特別なことはいっていないんですよ。『とにかく声を出せ!声を出さなければ集中できないぞ!』と何度もいっていました」篠原自身はこう話すが、そこにも彼なりの綿密な計算があった。
「常に世界一を目指して戦うことを意識しながら、目の前の試合1つ1つ大事に戦って、最終的に決勝まで良い状態でもっていけるように、そういった心がけはずっと選手に声かけて率先していました」。もちろん、働きかけはグラウンド内だけではない。
「篠原は、自分からチームメイトに呼びかけてミーティングを開いたり、しっかりとチームをまとめるように積極的に話しかけてくれたりと「自分からチームを作ろう」という想いが一番強い選手でしたね。凄い選手でした」
左腕・高橋 樹也(花巻東<岩手>3年)がその内幕を明かす。
熱さを出しながら、周囲を見渡し冷静な判断を下せる力。さらにカメラマンの前を通り過ぎようとするときでも「すいません」と声をかけて、撮影ができるように配慮したというエピソードに代表されるように、気遣いがどこにでもできる人間性の高さ。これこそ日本高校野球のキャプテン、すなわち「侍ジャパンU-18」のキャプテンとしてあるべき姿である。
組み合わせと応援メッセージは下記リンクから!
・2015年 第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
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- 副編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
- ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
- ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
- ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
- ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
今後の活躍を、テレビなどで報道されるように頑張ってください。応援し続けます♡
やっぱりなあと感心して見ておりました。このように篠原選手が褒めてもらえると地元民もとても嬉しいです。
早く敦賀に帰ってきてゆっくり休んでほしいですが、また月末国体があります。嬉し悲しの心境です。
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