第64回 野球が終わっても「腰が低いし笑顔が似合う」と言われてほしい 恩師が語る野村祐輔(広陵)の高校時代2019年06月01日

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【目次】
[1]「あの先輩」がブルペンに来ると中井監督に……
[2]節目節目であいさつができる「人として」育ってほしい

 序盤こそつまずいたものの、大型連勝を続け現在はセ・リーグ4連覇へ向け順調な道筋を描く広島東洋カープ。その大黒柱として君臨するのが広陵(広島)で2007年春夏連続甲子園出場で春ベスト8・夏準優勝投手。その後、明治大でも東京六大学リーグ30勝で4年秋には明治神宮大会優勝を手土産にドラフト1位で広島の地に帰還。今季8年目を迎える野村 祐輔投手である。

 どんな場面にあっても心技体の制球力を駆使し、ポーカーフェイスで投げ続ける野村投手。その原動力となっているものとは何か?今回は広陵時代の恩師・中井 哲之監督に高校当時の野村投手について、そして野村投手が今も続ける「習慣」についても語って頂きました。

「あの先輩」がブルペンに来ると中井監督に……



広陵高校時代の野村祐輔(広島)

 野村(祐輔)を最初に見たのは倉敷ビガーズ(岡山・ヤングリーグ)の時だったと思います。第一印象は「うまいな、伸びしろがあるな」。ものすごい剛球を投げている感じではなかったけど、コントロールがいい。今もそうですが「うまい、賢い」。考える力がある、自分を知っている、ということですね。「これが力強くなれば球速も速くなるだろうし、身体の使い方も柔らかいので、伸びるだろう」とは思ってました。

 だから投手でなくても他のポジションができる感じでした。本人に「ピッチャーできなくなったらどうするんや?」と聞いたら「セカンド・ショートをしたいです」と言ってたのは覚えていますけど(笑)。打つのも守るのも器用な子でしたよ。

 その後、力がつくとスピードもキレも増していきましたし、変化球のコントロールもよくなっていきました。さっき言った「うまさ、賢さ」を活かしながら、そこを指導していきましたね。野村の1学年上は吉川(光夫・読売ジャイアンツ)がいたんですが、彼は高校時代から強いボールを投げられていた。だから祐輔にはそこで刺激を与えていました。

 ただ、本人は体力がないのに強いボールを投げようとすると身体が開きすぎるし、突っ込んでしまうことは解っていたようです。当時の吉川とは筋力が違いますからね。人のペースを崩すわけではないんですが、いい意味でマイペースな子だったと思います。だから「吉川さんと並んで投げると力むから、横では投げたくない。吉川さんが終わった後に投げます」と。2年生でそんなことは普通よう言わんのですが、僕は「あ、そう」みたいな(笑)。そんなエピソードはありました。

 ですので、下級生時代は球速も140キロを少し超えるくらいだったし、出し入れ・コントロールがよかったスライダーで勝負する、その後、明治大に行った時は149キロ・新入生で一番球速は速かったらしいんですが、それでも「速さじゃないんだ」ということでバランスを崩さず、広島東洋カープでも打たせて取って勝てる投手になれた要因だと思いますね。

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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