明豊(大分)編「今夏2009年以来のベスト8となった明豊のつながり!」
左から高校時代の稲垣 翔太選手、今宮 健太選手(明豊)
過去にはソフトバンクの今宮 健太を筆頭に社会人、大学など次のステージへ数多くの選手を輩出している明豊の今夏の甲子園を振り返るとともに卒業生を紹介する。
2009年以来のベスト8!打撃力向上で大躍進!
明豊といえば、かつては別府大附という校名で、平成のスーパーキャッチャー・城島健司の母校というイメージがある。これは校名変更で、明豊になったのではなく、別府大附を運営していた学校法人別府大学と明星(みょうじょう)中学・高等学校を運営していた学校法人明星学園の合併によって発足した学校なのである。ちなみに校歌の「明日への旅」は歌手・南こうせつさんが作曲したものである。今年も2回もこの校歌が鳴り響いた。
平成11年(1999年)に開学した明豊は2年後、2001年の夏だった。初出場でベスト8の快挙を成し、明豊の名を全国に轟かせた。その後は春に2回、夏に6回出場と強豪の仲間入りを果たした。現在明豊の監督を務めているのが川崎絢平監督だ。川崎監督は智辯和歌山出身であり、高校時代は1年生からベンチ入りし甲子園の優勝を経験している。その後は立命館大学に進学しショートとして活躍。卒業後は、智辯和歌山の高嶋仁監督のもとで指導者として野球を学び、2011年に明豊の部長に就任。翌2012年、まだ当時30歳という若さながら監督に就任した。川崎監督は、智辯和歌山出身というだけあり「守りの野球」に力を入れている。しかし、2015年夏の甲子園で仙台育英に1-12と大敗してしまってからは、打撃の向上を図っていく。その成果が表れたのが2017年夏の大分大会だ。準決勝まで全ての試合をコールド勝利、決勝でも7-0と大差をつけて勝利した。その勢いのまま2009年以来の甲子園ベスト8と躍進。そんな明豊の今年の甲子園を振り返る。
初戦は坂井。この大会では大分大会で打率.389、3本塁打、11打点を記録した浜田太貴が躍動した。2本の長打で全国クラスの逸材だと証明した浜田は1点差で負けていた6回、3球目の内角ストレートを振り抜き、逆転2ランホームランで試合をひっくり返した。まさにスター性溢れるスラッガーであった。
2回戦・神村学園戦。乱打戦で延長戦にもつれ込んだ12回、二死満塁のチャンスから、1番後藤がセーフティスクイズ。これが明豊の守備の乱れを誘い、塁上の走者がすべて生還。8対5。そして12回裏二死神村学園のベスト8が近づいたように思えた。ここから満塁のチャンスを作り、バッテリーミスと9番管 大和の2点適時打で同点に追いつき、なおも二死満塁から3番浜田の押し出し四球で明豊がサヨナラ勝ちを決めた。劇的なこの明豊の逆転勝利は全国の野球ファンの記憶に焼き付いたのではないだろうか。この勝利で明豊は2009年以来となるベスト8に輝いた。ゲーム内容に加え、南こうせつ作曲の校歌がエンディングにふさわしく、さらに多くのファンを感動させた。そして準々決勝の天理戦でも、13対9の打撃戦を演じた。
新進気鋭の明豊。これからも甲子園に新しい風を吹かしてほしい。
近年の卒業生たち
■2010年卒
・阿部 弘樹(箕島球友会)
・河野 凌太(三菱重工長崎)
・今宮 健太(ソフトバンク)
・前田 祥汰(京都学園大)
・増成 両(横浜商大)
・白濱 尚貴(三菱重工広島)
・平井 徹(箕島球友会)
・野口 昂平(横浜商大)
・壽 雄大(京都学園大)
■2011年卒
・梶原 隆宏(九州共立大)
・宮本 賢司(京都学園大)
・牛草 淳一郎(京都学園大)
・砂川 鉄平(セガサミー)
・山野 恭介(広島)
・篠川 拓也(同志社大)
・藤井 康平(京都学園大)
■2012年卒
・稲垣 翔太(ホンダ熊本)
・岡本 健一郎(九州共立大)
・佐藤 匠(中央大)
・篠川 拓也(同志社大)
・木森 恭平(九州共立大)
■2013年卒
・小川 球(神奈川工大)
■2014年卒
・稲垣 誠也(中部学院大)
・司農 拓摩(近畿大)
・小林 大地(仏教大)
■2015年卒
・宮本 勇磨(法政大)
・小西 遼太郎(龍谷大)
・小川 塁(神奈川工大)
・野口 幸佑(福岡大)
■2016年卒
・工藤 俊哉(立命館大)
・前田 剛(東京農大)
・辻 啓太(追手門学院大)
・堂田 弘平(天理大)
■2017年卒
・山中 大輝(立命館大)
・大庭 樹也(専修大)