【センバツ出場校分析】松商学園高等学校（長野）

恩田 佑哉（松商学園）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は22人。その内、半分の11人が右投げ左打ちである。レギュラー格は4人が左打者。
長野県出身は17人。その内6人が学校所在地の松本市出身。県外5人の内、4人は北信越地方以外の出身者。

【ディフェンス面】
エースは恩田 佑哉。11試合に登板し、完封1を含む3完投で防御率2.20の成績を残した。奪三振率7.92は32校の主力投手の中で10位に入る。長野県大会2回戦では、昨春の選抜に出場した東海大三・平林 俊太と投げ合い、2安打10奪三振で完封。これが自信をつけた試合となったようだ。
同じ右投手の羽賀 和也と中山 陸は2試合ずつ先発。恩田の次に登板イニングが多い徳田 涼介は全てリリーフでのマウンドだった。

1試合平均1.44の失策数はやや多いが、試合を重ねる毎に徐々に減ってきている。特に11対10の乱戦となった北信越大会1回戦の北越戦では無失策が勝因の一つだったと考えられる。

【オフェンス面】
チーム打率0.338と1試合平均安打11.29はともに32校中10位。全128安打に占める長打の割合は26.6%でこちらは17位となっている。さらに1試合平均盗塁2.82は3位で、中でも2番・百瀬 雅也の14盗塁は出場全選手の中で堂々のトップだった。ただ北信越大会の4試合に限ってはチーム盗塁が2つで、相手捕手によっては数字の見方が変わってくる印象もある。
百瀬は21安打を放ち、打率0.488とともにチームトップ。これが4番・新倉 健太の14打点、5番・矢口 直樹の12打点へと繋げている。

また1番・船﨑 星矢は、7安打と少ないながらも長打の割合が100%。これも興味深い数字と言えるだろう。
1試合平均犠打飛1.94は32校の中で5番目に低い。
好投手・平沼 翔太との対決となった北信越大会決勝では、3安打に抑えられ、犠打飛0、四死球1だった。この数字にも課題が見て取れる。

【戦い方から見える傾向】
対外試合禁止処分が明けた9月6日が新チーム初戦。わずか4試合、1勝3敗という状況で公式戦に入ったが、ここから3試合連続でコールド勝ちするなど強さを発揮した。中信地区予選決勝で松本第一に延長10回サヨナラ負けを喫した後は、粘り強い戦いに変わってきている。北信越大会では3試合連続で1点差勝ち。選抜出場を大きく手繰り寄せた。
また、中信地区予選と長野県大会で恩田 佑哉が3試合を完投したが、北信越大会では一転して羽賀 和也と徳田 涼介を交えた3投手の継投に終始した戦いを見せている。