高卒プロ志望野手がスカウトたちにアピール
野手のアピールも光った。
強打の浦和学院を牽引する藤井 健翔内野手、垣内 凌外野手が横浜戦で活躍を見せた。春の県大会終了時に高校通算31本塁打の藤井は初戦の帝京三戦で3三振で途中交代となっていた。それでも横浜戦では152キロ右腕・織田 翔希投手(2年)の直球を捉えて左前安打、変化球も打ち返して、右中間破る二塁打とプロのスカウトへアピールした。森大監督は「良かったと思います。まだ荒削りなので、3三振することもありますが、藤井が良かったのは三振に終わった次の打席でも同じようにフルスイングに徹したこと。三振したあとで打撃が小さくならなかったのは良かったと思います」と打撃スタイルを貫いたことを評価した。
課題の三塁守備は横浜戦でタイムリーエラーはあったが、着実に向上している。中学時代は強肩捕手として活躍しており、スローイングも強い。高打率を残すタイプではないが、打席数を重ねていけば、本塁打、長打を量産する可能性がある。
垣内はこの春から急激に評価を高めたスラッガー。準々決勝の横浜戦では第2打席で織田の得意球・チェンジアップを捉えて中前安打。この打席について「真っ直ぐに狙い球を張りながら、変化球が来たら対応する形で打席に入りました。チェンジアップにしっかりと反応ができました」と語った。最終打席では狙っていた真っ直ぐを打ち返し、ライトスタンドへ高校通算24号本塁打。県大会に続き大舞台でのアーチとなった。またライトから強肩を披露し、強肩強打の外野手としてもアピールした。
森監督は藤井、垣内の両名がプロ志望届を提出する意向だと明かした。この夏は2年ぶりの甲子園出場を目指し、勝利に貢献する強打を発揮したい。
左から井上遥翔(佐野日大)、藤井健翔(浦和学院)、垣内凌(浦和学院)
佐野日大の強打の三塁手・井上 遥翔内野手は習志野戦後にプロ志望を明かした。習志野戦では3打数1安打。第1打席では143キロ右腕の向井 脩人投手から中前安打を放った。春季栃木県大会では、16打数10安打7打点、二塁打4本と大当たりした。バットコントロールがよく、どの試合でも的確にボールを捉えることができるので、安打を量産できる。入学時から高卒プロを目指して練習に取り組んできた。この春は強打者として最良の結果を残したといえるだろう。課題だった守備も昨秋よりも上達が見える。この夏は春と同じく長打を量産する打撃ができるか注目だ。
高卒プロ志望の選手は夏の内容が指名に直結する。甲子園がかかった夏の大会で、春以上のパフォーマンスを披露できるか注目だ。