春季は10人登板!横浜の圧倒的投手層に次ぐのはどのチームだ。

 チームとしての投手層で言えば、横浜は一つ抜けている。ここまで公式戦無敗記録を継続しており村田 浩明監督が「新しい戦力が出てきて欲しい」と発破をかける中、春季大会で10人が登板し、メンバー争いも激化している。エースの奥村 頼人投手(3年)、織田 翔希投手(2年)だけでなく立花学園戦で4回無失点の前田 一葵投手(3年)、相洋戦で3回6奪三振の好救援を見せた片山 大輔投手(3年)ら3年生投手が持ち味を発揮した。さらには昨夏からの投手復帰となった池田 聖摩内野手(2年)も横須賀学院戦で5回無失点と投手としてもアピール。入学したばかりの福井 那留投手(1年)は春初戦で1回0/3で2奪三振、小林 鉄三郎投手(1年)も準決勝の相洋戦で1回無失点と多くの投手が公式戦のマウンドを経験していることも大きい。日替わりでヒーローが生まれる投手陣で、関東大会でも勝ち星を伸ばすことが出来るのか注目だ。

 横浜の他にも健大高崎東海大相模と好投手を複数枚揃えるチーム多いが、浦和学院専大松戸山梨学院らも負けていない。

 春の埼玉で強力打線を形成し優勝した浦和学院だが、秋から投手力の成長著しい。エース左腕・岡部 修弥投手(3年)は140キロ台の直球を投げ込み、変化球もスライダー、チェンジアップに90キロ台のカーブを巧みに投げ分ける。埼玉大会決勝でも花咲徳栄打線を5回無失点に抑え、チームの柱としての地位を確立している。ほかにも森 大監督が「右の軸として考えている」と期待をかける最速144キロ右腕・吉井 蓮太郎投手(3年)も初戦の県浦和戦で6回3安打8奪三振無失点と結果を残し、昨秋から登板経験を持つ伊藤 漣投手(2年)にアンダースローの石川 拓海投手(3年)、力強い速球が武器の日髙 創太投手(2年)らも頭角を現している。打線の好調ぶりを考えると優勝も十分に狙える戦力だろう。

 千葉大会3連覇を達成した専大松戸もリリーフでの登板が多かった黒田 隼投手(3年)にアンダースローの田中 昇之介投手(3年)、サイドから投げ込む高橋 昊成(3年)を擁する。さらには決勝で登板した伊藤 怜投手(3年)が、公式戦初登板ながら7回途中無失点の好投。ストレートは自己最速の最速143キロを計測して、優勝に貢献した。

 春季山梨大会連覇の山梨学院も、センバツではベンチから外れた檜垣 瑠輝斗投手(2年)が急成長を遂げた。この春から背番号「1」を背負い決勝でも6回1失点にまとめるなど秘めたる力を発揮した。センバツで152キロを計測した菰田 陽生投手(2年)らとともに投手陣の軸として関東大会でも強豪相手に結果を示し、さらなる飛躍に期待したい。

 地元開催となった茨城では、常総学院が3連覇を成し遂げている。投手陣は140キロに迫るストレートが武器の小澤 頼人投手(3年)、準決勝の藤代戦で6回途中1失点、決勝でも最終回を締めた野口 龍馬投手(3年)が軸となる。常総学院に敗れて準優勝となったは、井崎 健裕投手(2年)に好リリーフで支えた橋本 大翔投手(2年)の2年生コンビが投手陣を牽引している。藤代も3位決定戦で好投し、6年ぶり関東大会へと導いたエース右腕・齊藤 駿介投手(3年)に、昨秋王者のつくば秀英を4安打に抑え、完封勝利を挙げた栗原 大和投手(2年)が注目の存在だ。

 ほかにも作新学院は栃木大会準決勝の宇都宮工で完封勝利を挙げた斎藤 奨真投手(3年)がエースとしてチームを引っ張っている。初戦で絶対王者・横浜相手にどんな投球を見せるのか。桐生第一は齋川 航大投手(3年)が群馬大会準決勝で東農大二打線を3失点に抑えて9回を投げ切った。今大会初戦でぶつかる東亜学園も投手陣はエース左腕・佐々木 俊投手(3年)を中心に勝ち上がってきた。どちらも打線が良く、投手の状態が勝敗を分けそうだ。

 6年ぶりの関東大会出場を決めた習志野は本格派右腕の向井 脩人投手(3年)に制球力と変化球の投げ分けが持ち味の中西 敦也投手(3年)が二枚看板としてチームを支える。初出場の叡明も最速142キロ右腕の田口 遼平投手(3年)が埼玉大会の3回戦、準々決勝で完封勝利を記録した実力者だ。帝京三は小田 真投手(3年)の打たせて取る粘りの投球に期待がかかる。

 今年の春の頂点を掴むのはどの高校になるのか。名門校揃いの戦いから目が離せない。

【一覧】春季関東地区大会 注目投手

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