<令和7年度 春季近畿地区高等学校野球滋賀県大会:滋賀学園8-0近江>◇10日◇決勝◇マイネットスタジアム皇子山

 滋賀学園が投打で近江を圧倒。2年連続2回目の優勝を果たし、近畿大会の出場権を獲得した。

 先発を任されたドラフト候補右腕・長﨑 蓮汰投手(3年)が7回を投げ、9安打4四球ながらも粘りの投球で無失点。打っても3打数2安打2打点と投打に渡る活躍を見せた。

 186センチの長身から最速142キロのストレートとカーブを駆使した投球が持ち味の長﨑。「変化球でいつも取れるストライクが取れなかった」と立ち上がりから本来の投球ではなかったが、「自分がストライクを取るというよりは、相手バッターが反応してくれるような感じに切り替えました」と巧みな投球術で毎回のように走者を出しながらも本塁を踏ませない。

 試合を楽にしたのが自身のバットだった。2回表に二死二塁と先制のチャンスで打席が回ると、「真っすぐ一本で張って振り切った結果がたまたま抜けてくれました」と三遊間を破る適時打を放つ。

 これを機に滋賀学園打線が爆発。押し出し四球で1点を加えると、3番・川畑 鯉太郎外野手(3年)、4番・吉森 爽心内野手(2年)の2者連続2点適時二塁打で加点し、この回だけで6点を奪った。

 さらに長﨑は5回表にも一死二塁から中越え適時三塁打を放ち、大きな追加点を挙げる。点差がある中で長﨑は落ち着いた投球を披露し、近江に流れを渡さなかった。

 8回からは長﨑と二枚看板を形成する土田 悠貴投手に継投。こちらも安定感のある投球を見せ、2回を無失点に抑えた。

 これで滋賀学園は4季連続の県大会優勝。「うちのテーマとしては『絶対に負けられない』という形で入ったので、それについては選手たちが成長したと思います」と山口 達也監督は語る。

 他校から追われるプレッシャーの中でも強さを発揮した滋賀学園。5試合でわずか1失点とダブルエースを中心に手堅い野球で春の頂点に立った。

 センバツでは初戦で浦和実のエース左腕・石戸 颯汰投手(3年)を前に完封負けを喫したが、全国でも上位レベルの戦力を誇る。近畿大会ではどのような戦いを見せてくれるだろうか。