<春季四国地区高校野球大会:明徳義塾5-0英明>◇3日◇決勝戦◇レクザムスタジアム
終わってみれば昨秋に続き、春も四国の頂点を占めたのは序盤でスキなく得点を重ねた明徳義塾。その主役も昨秋と変わらず絶対的左腕・池﨑 安侍朗投手(3年)だった。
この試合、池﨑は「試合前日に投球練習をした時から調子があまりよくなかったので、野手のみんなに『明日は守ってほしい』と話をしていた」と明かしたように、2暴投をはじめ特にストレートは抜け球が目立つ状況。ただ、その中でも「センバツ後は勝ち切ることをテーマにして練習してきた」成果を存分に披露した。
特に気遣いが見えたのはボールの質を際立たせる配球だ。「侍ジャパンU‐18日本代表候補選手強化合宿でスピードでなく勢いが大事だということを学んだ」と、ストレートは130キロ後半と130キロ前半のツーシーム気味の2種類で幅を持たせると、そのストレートに的を絞っていた英明打線の目先を交わすカーブも強弱を付けながら多投。
結果、池﨑は3四死球、2奪三振ながら114球5安打完封という最高の結果で明徳義塾を2大会ぶり13度目の春四国頂点へと導くことに。「中盤以降、雑になった」と打線には渋い顔の明徳義塾・馬淵 史郎監督も池﨑に関しては「スピードよりも力を抜いて投げられた」と合格点を与えた。
自分の状態と相手の状況を冷静に判断し、最善の策を選択する池﨑。その思考は高校生というよりは社会人野球のベテラン左腕の空気感さえ漂う。そして池﨑は高卒後の進路についてこう明言した。
「大学進学も考えていましたが、野球でもう一段階上に行きたいと思っています。3年後のプロも見据えて社会人野球に進みたいと思っています」
ただ、その前には明治神宮大会で横浜、センバツで健大高崎に初戦で敗れた悔しさを晴らす舞台が待っている。「ピンチの場面で投げ切り、上にいけるように、そして選んでいただけるようにしっかり夏に投げたい」と高校日本代表入りを狙う。明徳義塾の絶対的左腕は、大人の思考・投球術と、熱い闘志、さらに「代表候補強化合宿で京都国際の西村一毅とかから教わった」という“新たな決め球”も準備しつつ、最後の夏に最高の結果をつかみにいく。
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