<令和7年 春季関東地区高校野球 埼玉県大会:叡明 2-1 市川越>◇3日◇準決勝◇県営大宮球場
142キロ右腕・田口遼平(3年)と増渕隼人(3年)の2枚看板を擁する叡明と市川越との一戦。この両校は昨夏も対戦し、その時は1、2年生7人の市川越に対し、叡明は田口が登板。叡明が6回コールドで勝利しているが今回はどうか。
先制したのは叡明であった。
2回表、笘大悟(3年)、高野歩(3年)の連打などで1死二、三塁とすると、8番・細沼慶聡(3年)が右中間へ2点適時三塁打を放つ。
だが4回裏、叡明は2死一、三塁から相手盗塁時のキャッチャーの2塁送球が悪送球となり1点を失うとその後、流れを失う。
特に5回からマウンドに上がった市川越の2年生左腕・栗本樹に苦しみ2安打無失点で終わる。
5回から頼みの綱・田口がマウンドに登る。
ただ田口も直前の打席で死球を受けた影響や、これまで中1日で2試合を完投してきた疲労もあり万全とはいえない状態だった
終盤に強い市川越打線に対し、7回裏には、玉野凌也(3年)、嶋田元太朗(2年)、栗本にヒットを浴び四球も与えるが、相手の走塁ミスもあり満塁のピンチから三振を奪うなど無失点で切り抜ける。
その後はさすがの投球。
「(死球の)痛みはあって張りもあり、ボールの走りはイマイチだったが、制球は良かったので悪くはなかったかな。昨夏やったことある相手に対し相手も力はついていると思うが、自分もレベルアップしたので自信を持って投げた」(田口)
この日は変化球を多めに使い、4者連続を含む8奪三振を奪う。
結局、叡明が増渕、田口の継投で逃げ切り初の関東大会出場を決めた。
叡明はこれまで一昨年夏から大事な所は田口と投手陣は田口がメインのチームであったが、今大会は増渕が台頭。エースナンバーを付けるまでになり、田口の負担を軽減することができるようになったことが要因であろう。打線も今大会上位はやや不発であったが、田口、笘、高野、細沼などは好調で切れ目なく長打も出る。
ただし、今日の勝ちは決して褒められない内容だった。中村 要監督はミスが多く出た試合と総括する。
「よろしくないゲーム。発展途上のチームなのでミスがたくさん出てしまったが、夏に向けこれからやっていかなければいけない。増渕はリズムも悪く本来のボールの出来ではなかったので明日のことは考えずに早めに田口へ代えた。悪いなりにゲームを作れるのが田口の良い所。田口で負けたらしょうがないと腹を括っていた。打線は相手の左投手に対し指示は出していたんですがフライアウトが多くて石戸君みたいな感じかな」
中村監督はかつて浦和学院のコーチだった。勝ち上がれば決勝戦で浦和学院と対戦する可能性があり、大会中から浦和学院とやりたいと話をしていた。
「試合前に『なんとか勝って浦和学院とやらせてくれ』と試合前、選手達に頼んでなんとか勝ち取ってくれた」と、創部初の関東大会行きを決めた選手を褒めた。
決勝は前浦和学院のコーチの中村監督にとって古巣相手となるが恩返しはできるか。
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