半田工科・大府東の連合チームが半田農にコールド勝ち

5回に本塁打を放った大府東・小林君
<春季高校野球愛知県大会1次予選:半田工科・大府東13-0半田農(5回コールド)>◇22日◇知多地区敗者復活1回戦◇半田北部グラウンド
知多地区の、敗者復活戦の1回戦。ぎりぎりの人数の半田農は何とか単独チームでの参加ができたが、1回戦では東海南に34点を奪われる大敗を喫してしまった。気持ちを切り替えての敗者復活トーナメント戦となった。大府東・半田工科は連合チームという形での戦いとなったが、初戦は点の取り合いの末、横須賀に1点差負け。そこから立て直しての戦いとなった。
現実問題として、愛知県に限らず、全国的な傾向として実業系の学校の場合は定員割れなども多く、生徒確保が非常に厳しいというのが現実である。そうした中で、部活動として野球をやっていきたいという生徒を集めていくことは、かなりの困難もあるという。
それでも、高校野球として部を存続させていくためにも、そして歴史と伝統のある学校であれば、やはりそれを維持していきたいという思いも強い。そんな中で、真剣にやっていけばいくほど様々な困難なことも起きてきてしまう。
極端に二極分化が進んでいる今の高校野球が抱えている問題点の中でも、野球の普及と維持ということも考えてみれば、最も大きな現実の問題として捉えていかなくてはいけないであろう。そんなことも思いながら見つめている試合だった。
合同とはいえ選手の数としては半田農を上回っている半田工科と大府東連合。初回に内野安打と3番小林の二塁打でチャンスを作り、失策も相次いで3点が入った。さらに、2回にも1番都築空夢の三塁打と暴投でさらに1点を追加。
そして、4回には1番からの好打順で、飛球失策から始まって、打者11人で6点が入った。さらに、5回には3番小林の右越え本塁打も飛び出すなどで、なおも3点が入っていった。
半田農としては、2回に5番長谷に安打が出たものの三振併殺となり結局、毎回3人ずつで終わってしまうという形になって1安打1四球のみで二塁へも進めず完敗となってしまった。
半田工科の石川裕章監督は、「夏は、やっぱり単独チームとして出場したいですよ。だけど、新入生がどれだけ入ってきてくれるかは、まだわからん状況です。当面は、大府東と一緒に行動しながら土日の練習試合を組んで貰いながらという形になっていくと思います。新入生が入ってきたとしても、すぐに1日2試合というのは無理でしょうから…。そんな中で、夏を目指して、何とかしていきたい」というのが本音であろう。部員確保を大事なテーマとなっている現場の指導者は、4月はその年度のチームの方向性を決める時期でもあり、大会でどう戦うのかということとは別に、それ以前の大事な要素があるというのが現実であるということだ。
本当の意味で高校野球のすそ野を大事にしていくということは、こういった形で苦労している学校を何とか大会に参加できる形にしていってあげることでもあろう。
(取材=手束 仁)