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開幕スタメン有力・前川右京(阪神)「高3センバツでの大不振」が今の飛躍の原点だ!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.22』】

2024.03.24


智辯学園時代の前川右京

皆さん、こんにちは!!
『高校野球ドットコム』の河嶋 宗一です。私・河嶋が「これまでグラウンドで見てきた感動シーン」(略して『グラカン』)をみなさまにお届けしています!

現在、熱戦開催中の第96回選抜高等学校野球大会。今年も投手では今大会最速の149キロを計測した平嶋 桂知投手(大阪桐蔭)、野手では今大会1号を放ったモイセエフ・ニキータ外野手(豊川)のドラフト候補たちが目立っています。

現在活躍しているプロ野球選手たちの多くが甲子園でアピールして、夢を叶えました。阪神期待の若手スラッガー・前川右京外野手(智辯学園)もその1人。
高卒3年目ながら、開幕スタメンも有力な立場となっている前川選手を振り返っていきます。

プロにいくために智辯学園へ

三重県出身の前川選手は、津ボーイズでは3番ピッチャーとして活躍。全国大会に出場し、選抜選手に選ばれるほどの選手でした。智辯学園に進んだ理由についてこう語ります。

智辯学園さんが一番プロに行きやすくて環境も整っていると聞いたので、入学させていただきました。実際に入学してみて、環境だけではなく、指導者の方々も素晴らしい人たちで、改めて智辯学園に来てよかったと実感しています」

智辯学園では1年春から公式戦に出場。1年秋の近畿大会では本塁打を放つなど、1年生の時だけで高校通算21本塁打に達し、順調に成長を見せていた前川選手。2年夏の交流戦では中京大中京高橋 宏斗投手(中日)と対戦します。結果は4打数1安打でしたが、20年の世代NO.1右腕の対戦について次のように振り返ります。

「世代ナンバーワン投手といわれている投手から甲子園という一番良い球場で、試合をさせていたただき、実際に今まで見たことがない投手でしたが、やはり打ってこそ4番打者だと思います。
150キロというスピードボールにスイング負けをしてしまいました。スイングの速さを出すために、体の切れや体の回転を使ってスイングすることが大事だと実感しました」

ティーバッティングをする智辯学園時代の前川右京

前川選手を取材したのは20年9月。秋の県大会へ向けて練習を重ねる中、打撃練習をみせてくれました。まず驚いたのは太ももの太さ。他の選手と比べても一回りも太く、強靭なパワーを生んでいました。

当時の打撃練習ではほとんどがライナー性の打球で、あまりの打球の速さに常に芯で捉えられるコンタクト力の高さがありました。

前川選手は打撃のポイントについて次のように語ってくれました。
「捉える確率を高めるためにボールを引き付けた状態で、軽く振る。ひきつけて打つようにして、ケースを設定して外野フライ、ヒットを打たないといけないときはヒットを打つことを心掛けてやっています」

その後、前川選手は奈良県大会決勝戦で達 孝太投手(天理-日本ハム)、近畿大会決勝戦では関戸 康介投手(大阪桐蔭-日本体育大)と2人の超高校級右腕から本塁打を放ち、評価を高めます。チームも近畿大会優勝。選抜出場を果たし、前川選手は大会注目打者に挙がります。

インタビューに応じる智辯学園時代の前川右京

次のページ:選抜では打撃不振も夏に復活し、甲子園で2アーチ

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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