何事だってチャレンジできる!文武両道を体現することが準硬式のあるべき姿だ!<田中裕毅の『準硬ドットコム』第4回>
2023年に日本一となった大阪経済大
学業との両道を目指すのが準硬式のあるべき姿
大学4年間は、いろいろなことに挑戦ができる期間だ。
一生懸命勉強をして資格を取るのも良し。アルバイトで貯金して海外留学をすることも良し。とにかく部活動やサークル活動など、1つのことに没頭するのも良し。
とにかく自分の意思で決めて何事にも挑戦できる。最後の学生生活は自由だけど、自己責任が伴う時期だ。だからこそ大事なことは文武両道。こればかりは学生という身分である以上、高校を卒業しても変えられない現実である。
この現実を正面から受け入れ、連盟としても謳っているのが、大学準硬式だ。
全日本大学準硬式野球連盟の公式ホームページ上でも、準硬式が目指していくのは〈アマチュアスポーツの精神に則り学業との両立を目指す〉と明記されている。
しかもそれが“建前”ではないのだ。2023年に甲子園で開催された『全日本大学準硬式野球 東西対抗日本一決定戦 甲子園大会』の選手選考には、以下の項目が設定されている。
〈本連盟の理念である「学業とスポーツの両立」に相応しく大学準硬式野球を代表する人物であること
① 学業の基準について、「成績不良」で活動停止になっていないこと。 〉
文武両道を謳うスポーツは数あれど、ここまではっきり明記しているのはなかなか珍しいことだろう。
日本一チームでも関係なし!あらゆることに挑めることが魅力だ!
練習はあくまで学校生活が最優先となる。2023年の全国大会で優勝を果たした大阪経済大は、週5日の練習で1日あたりおよそ2時間半。しかも平日は授業優先ということになっている。
2024年よりNPB二軍に参入する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」へ入団した竹内 奎人投手(静岡出身)は群馬大医学部生として準硬式の舞台で闘ってきた。週3日の練習で1日あたり3時間程度の活動。学業との両立は十分可能だったという。
「準硬式はいろんな形があると思うんです。しっかり野球をやるところもあれば、文武両道を大事にするところ。文武両道をしながらもアルバイトもやるというところもあるので、色んな高校球児にアプローチをするという意味では、どんなことでも両立可能だと思います。
だから自分としては、おすすめの選択肢だと思っています」(竹内)
医学部にいた竹内は、定期テストの1ヵ月ほど前から勉強に打ち込む時期があったという。それでも準硬式を続けることができた。
「これまで野球をやってきましたのもありますが、コロナで自粛する期間を経験して、野球がない生活は考えられなかった。やっぱり、野球が大好きなんだと思います。
だから準硬式なら自分の形にあわせて活動できると思うので、野球以外も経験出来るところはやっぱり魅力だと思います」
大好きな野球を本気でやりたいし、勉強やアルバイトもやりたい。本気で悩んでいる球児にとって、欲張って色んなことに挑戦できる準硬式はベストな選択肢だろう。
取材・文/田中 裕毅(準硬式野球評論家)
小学3年生から中学生までは軟式野球。高校での3年間は硬式野球をプレー。最後の夏は控え捕手でベンチ入りを果たす。
大学から準硬式野球で3年間プレー。大学2年、3年生のとき、チームは清瀬杯大会に出場し、自身はベンチ入り。さらに3年生の1年はチームの主務として、選手登録やリーグ戦運営に携わる。特に春季リーグはリーグ委員長として、試合日程の調整をはじめとした責任者を任される。