フォームは吉村優聖歩(巨人)を彷彿!熊本国府の変則左腕・植田凰暉が甲子園で活躍するには?<2024年のヒーロー候補たち⑨>
植田 凰暉(熊本国府)
来春の選抜では話題になりそうな変則左腕がいる。それが植田 凰暉投手(熊本国府)だ。
右足を巻き込むトルネード気味の上げ方を行い、強烈なインステップ気味で投げる姿は22年高校日本代表の吉村 優聖歩投手(明徳義塾-巨人)を彷彿とさせるが、実際に植田は吉村をモデルにしており、元々オーバーだったのを、サイドにしたことで安定感が高まった。フォームだけではなく、投球も話題になるにはどうすればいいか考えていきたい。
九州大会、神宮大会の投球を振り返ると、ストレートは120キロ後半。変化球は110キロ前半のスライダーを投げ込む。良いのは左打者に外角だけではなく、内角にも投げること。植田はプレートの一塁側に立ち、さらにインステップするため、左打者にとっては背中越しからくるので内に食い込むスライダーは初見では捉えにくい。コーナーへ徹底的に突くことで抑えていた。
神宮大会の関東一戦では3回、被安打5、3失点と悔しい結果に終わったが、関東一の打者にはフォームに惑わされることなく、植田が投げるボールの軌道にアジャストして、的確に捉えられていた。ネット裏でみると、フォームは特殊だが、ストレート、変化球は脅威に感じられなかった。
甲子園ではフォームに惑わされず、対応できるチームも現れる。そこでベースとなるストレートの球威、球速、変化球の球速を高めることは必要になるのではないか。これは打てないと思わせるほどのレベルアップが必要だ。
来春には大きく変わった姿を期待したい。
<名鑑情報>
植田 凰暉投手(熊本国府)
181センチ77キロ
左投げ左打ち
大矢野中
寸評:吉村 優聖歩投手(明徳義塾-巨人)を彷彿とさせる投球フォームで勝負する技巧派左腕。
【秋の実績】
23年秋(2年秋)から本格的に活躍。エース・坂井 理人投手(2年)とともに2枚看板で活躍。
九州大会では3試合で、14.2回を投げて3失点(自責点2)の好投。
神宮大会では、関東一戦で3回、被安打5 3失点