試合レポート

愛工大名電vs花巻東

2023.06.03

愛工大名電が投打で圧倒、大量25得点を奪って大勝

愛工大名電vs花巻東 | 高校野球ドットコム
3番サード・加藤蒼惟(愛工大名電)

<第9回愛知県高校野球連盟招待試合:愛工大名電25-6花巻東>◇3日◇小牧市民

 愛工大名電(愛知)が投打で花巻東(岩手)を圧倒した。1回、打者10人の攻めで一気に5点を先制。2回には石見 颯真外野手(2年)の2ランで一気に7対0とした。その後も小刻みに点を追加。なんと27安打25得点で圧倒した。

 強さが感じられる試合だった。各打者のスイング軌道に無駄がなく、再現性の高いスイングを見せる。特に3番・加藤 蒼惟内野手(3年)は第1打席で、痛烈な右前適時打を放つと、その後も安打を重ね、4安打を記録した。ガッシリとした体型からの無駄のないレベルスイングを見せるなど打撃レベルが高い。

 愛工大名電はアプリを使ってスイング軌道を日々チェックしている。理想とするのはどの場面でも正確な軌道でスイングができることだという。自分のスイングと球筋にズレがあればミスショットをしてしまう。外角、内角とそのコースに適したスイング軌道をいつでもできるようになれば、再現性が高まり、安定して鋭い打球が増えて結果的に安打を量産できるようになる。加藤も冬の取り組みでスイングに安定性が増したという。

 走塁面も果敢に次の塁を狙い、バントでもセーフティー気味で簡単にはアウトにならない姿勢が見られた。

 投手陣では、左腕の大泉 塁翔投手(2年)が130キロ後半の伸びのある直球を武器に、4回5奪三振2失点。2番手の145キロ右腕・伊東 尚輝投手(2年)は3回を投げ3失点も、最速141キロの速球を武器にスラッガー佐々木 麟太郎内野手(3年)には本塁打を許さず、7回の2度目の対決では中飛に打ち取った。紙一重だが、威力ある速球を厳しいコースに投げ込んだ結果だった。

 左サイドの小島 大和投手(3年)は突出した球速はないとはいえ、他の投手にはない角度の球筋で勝負していた。対戦した佐々木麟も内野フライで打ち取られるなど、花巻東の打者はかなり打ちにくそうにしていたのが印象的だった。愛工大名電は基本的に速球投手が多い。その中で左の技巧派サイドの小島は、他の投手と差別化ができていて、投手陣のなかでも大きな存在になりそうだ。

 その後に登板した島田 和明投手(3年)も常時130キロ後半で、最速140キロをマーク。馬力もあり、将来が楽しみだ。

 花巻東は結果的に愛工大名電の前に大敗した。しかし、夏前に全国トップレベルのチームと対戦できたことは、自分たちの現在地を把握する上でも収穫のある一戦だったともいえる。

愛工大名電のスタメン】
1番(遊)河田 凌太郎
2番(二)金森 洸喜
3番(三)加藤 蒼惟
4番(右)寺田 純平
5番(左)石見 颯真
6番(一)中村 咲斗
7番(中)宍戸 琥一
8番(捕)秋葉 奨太
9番(投)大泉 塁翔

花巻東のスタメン】
1番(遊)熊谷 陸
2番(捕)小林 然
3番(一)佐々木 麟太郎
4番(二)千葉 柚樹
5番(左)北條 慎治
6番(三)堀川 琉空
7番(右)廣内 駿汰
8番(投)葛西 陸
9番(中)久慈 颯大

(取材=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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