佐々木 麟太郎選手 (花巻東)
高校通算140本塁打の佐々木麟太郎(花巻東) 昨年から大きく改善された打撃フォームに注目
現在、高校通算140本塁打と今年の高校生で最も本塁打を放っている花巻東・佐々木麟太郎内野手(3年)。とにかくフルスイングできる状態であれば、大学生、社会人を含めてもドラフトの目玉と呼ばれる選手である。昨年から進化した姿について迫っていきたい。
まず打撃フォームの進化について。佐々木はトップをとった時、ヘッドを大きく投手方向に傾ける癖があった。そのため、内角高めの速球に振り遅れる事が多く、速球投手に打ち取られる事が多かった。
愛知招待試合での佐々木はその課題を克服しようとする意思が見えた。ややスクエアスタンスで構えて、ベースからやや離れて、打席の後ろに構える佐々木。捕手寄りに立つことで、ギリギリまでボールを呼び込んで見極めようする狙いが見える。
右足をしっかりと上げながら、トップの動きを見ていくと、まっすぐ引いていく。以前よりもヘッドが投手方向への傾きが小さくなり、良い形でボールが見えている。三塁側から打撃の写真を撮ると、ヘッドの動きが改善されているのが、よく分かる。
ホームランバッターであるが、インサイドアウトで振り抜き、内外角、高めにもしっかりと捉えることができる。
佐々木が三振した球種は強烈な縦変化球のみ。縦変化に弱い打者は多いので、少しでもコースが甘ければ、簡単に行かれてしまうほどの怖さがある。愛知招待試合で投げた投手は好投手が多かった。そういう相手にも対応できていたので、体の調子が良ければ、甲子園のファンを騒がせるパフォーマンスは期待できる。
そして、佐々木は守備面でも粘り強さがあり、スローイングも強い。また、投手、野手に対してもしっかりと指示を出して、チームを牽引する姿勢があった。いわゆる孤立をさせず、しっかりと試合に入って、チームメイトを牽引する意識の高さもある。愛知招待試合では佐々木の声がよく響き、精神面の成長がしっかりと感じられた。
佐々木にとって最後の甲子園。この舞台で大暴れすれば、佐々木の野球人生も大きく変わっていくだろう。宇部鴻城戦の第1打席に注目だ。
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