山梨学院vs氷見
反省ばかりも…初の2勝を達成した山梨学院がベスト16入り
林 謙吾(山梨学院)
<センバツ高校野球:山梨学院4-1氷見>◇24日◇2回戦
今年1月、山梨学院を取材した時、主将の進藤 天内野手(3年)は「山梨学院の歴史を塗り替えたい」と意気込んでいた。進藤たちは1年生から公式戦を経験し、昨年は春夏ともに甲子園を経験したものの初戦敗退に終わった。だからこそ勝ち抜きたい思いはどの選手よりも強かった。
開幕戦で東北(宮城)を破り、迎えた氷見(富山)戦。氷見の青野 拓海投手(3年)を調査しようにも、映像情報が全くない投手で、イメージをつかむことができなかった。それでも甘く入った球をたたく。シンプルな戦法で立ち向かった。
1点を先行され、2回裏、岳原 陵河外野手(3年)は「青野投手は良い投手で、直球、変化球も良い球でした。たまたま甘い球が来たのでしっかりと捉えることができました」と三塁打。そして進藤の内野安打で同点。そこから効果的に追加点を入れたように見えたが、多くの選手からは反省の口が聞かれた。
3安打を打った進藤は「全然駄目です。自分の悪い癖である捏ねて打つ癖が出てしまいました。次の試合までに修正したいです。そして走塁、守備でも悪いところがたくさん出た試合でした」と振り返る。
また吉田監督は「なんか行けるという雰囲気のまま入ってしまいました。開幕戦ではこれをやらないといけないと、しっかりといろいろ決まりごとをしながら、硬くなりながらもそれができました。ただこの日はそのまま入ってしまい、ミスが多く出てしまいました。そうさせないのが、我々、指導者の役目なのですが、それができず責任があります」
それでも甲子園で初めて2勝したことについては「学校の新たな歴史を作ってくれた子どもたちですから、しっかりとおめでとうと伝えたいと思います。でも、その後はしっかりと反省会をして、次の3回戦に臨みたいと思います」
甲子園での2試合、野手陣はまだ本領発揮できていないところがあり、山梨学院のスキのない速攻劇も見られていない。
とにかくエースの林 謙吾投手(3年)の存在が大きく、冬から伸びてきた直球は試合後半でも130キロ後半をマークし、受ける佐仲 大輝捕手(3年)も「尻上がりにストレートの勢いが出てきていましたので、ストレートで押す投球に切り替えました」と直球主体の配球で、強打の氷見打線を抑え込んだ。
3回戦では好投手・升田 早人投手を擁する光(山口)と対戦する。苦しい試合になるのは間違いない。3回戦では最高の試合運びでベスト8入りなるか注目だ。
(取材=河嶋 宗一)