試合レポート

関東一vs甲府城西

2022.05.21

関東一の背番号10右腕が完封!最速も「大台」140キロに更新

関東一vs甲府城西 | 高校野球ドットコム
関東一 先発・成井 颯

<春季関東地区高校野球大会:関東一4-0甲府城西>◇21日◇2回戦◇栃木県総合運動公園

 関東一(東京)の背番号10が快投を演じた。前回大会準優勝の関東一は先発のマウンドに成井 颯投手(3年)を起用。「秋はエースでしたし。信頼している投手なので彼の力は発揮してくれたかなと思います」と米澤貴光監督の期待に応える投球だった。

 下級生の頃から経験を積んできた右腕は今大会でも、また一つ階段を登った。この試合で最速を140キロに更新。都大会では139キロを何度か計測したものの「大台」にはわずかに及んでいなかった。「球速は気にせずにコントロールを意識して8割ぐらいで投げていました」と語るも、「高校野球での目標は145キロ以上なので」と自己最速の更新には喜んだ。米澤監督も「高校3年生でなんとか140キロを超えさせたいという思いで毎年やっているので」と成井の努力が報われた瞬間を見届けることができた。

 9回を127球5安打、三者凡退が4度と甲府城西打線に付け入る隙を与えなかった。変化球が低めに決まり、特にカウントを整えたい時に投じたスライダーが効果的だった。

 打線も持ち前の機動力で初回から揺さぶった。1番・柳瀬 冬和外野手(3年)が三塁強襲のあたりに、後逸を見逃さず、快足を飛ばして二塁へ。躊躇なくトップスピードのまま二塁を目指す様子は、都大会から見せてきた関東一らしさが光るシーンだった。2番・三浦 麟外野手(3年)が送り、3番・井坪 陽生外野手(3年)がセンターへ適時三塁打を放ち先制。持ち前の走力で三塁打にした井坪も「今年は走力のチームです」と自負している。次の塁を狙う姿勢は関東ではトップクラスだろう。

 守備も全体的にハンドリングが俊敏で器用な選手が多い印象を受けた。特に捕手の富岡 大阿(3年)は成井の低めに集まる決め球の変化球をショートバウンドでも難なくミットに収める。スリーストライク目も安心感があった。

 投打で主導権を握った関東一。今大会の目標について米澤監督は「優勝というより1試合1試合やれること、1試合を本気でやることが強さにつながると思っているので、下級生を使ったりするのではなく、本気でぶつかって夏につながる大会にしたい」と語った。

(記事:藤木 拓弥

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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