東海大浦安vs市立千葉
東海大浦安の課題・打撃の穴を埋める広島からの逸材が投打で大暴れ
東海大浦安・岡 歩夢
連日熱戦が続く千葉大会で12日、東海大浦安と市立千葉が対戦した。
試合は2回、東海大浦安が5番・鯵坂 賢弘のヒットなどでチャンスを作ると、7番・岡 歩夢のタイムリーで先制に成功する。さらに1番・小河原 悠末の犠牲フライで一気に3点を奪う。
4回にも1点を加えた東海大浦安の先発は岡(歩)がマウンドに上がる。春は背番号18だったが、今大会は背番号9を付けて試合に出場した。野手投げような形ではあるものの、上半身の力を目一杯使ってキレのあるボールを投げ込み、市立千葉打線を抑える。
5回に一死から市立千葉の8番・市来 大和に二塁打を許し、ピンチを招いたものの、後続を断って5回までスコアボードに0を並べた。
その後、打線は5回に4番・岡 夏輝のタイムリーなどで3点を追加すると、6回にはダメ押しの1点で8対0と試合を決めた。
最後は2番手で背番号10の金 韓根が抑えてゲームセット。東海大浦安がコールド勝ちを収めた。
東海大浦安と言えば、内外野の連携を活かした組織的な守備力が武器のチームだった。その堅守ぶりは健在ではあるが、課題だったバッティングが大きく改善されたように感じられる。1番・小河原、3番・杉山 来弥の身体能力の高さを活かした打撃や、4番・岡(夏)のパワフルなスイングが噛み合い、打線として機能していた。
東海大浦安・岡 夏輝
春に八千代松陰に敗れてから、練習ではセンターから逆方向へのバッティングをさせ、さらに初球は必ずスイングをするというルールを設けた。こうすることで1球も無駄にしない姿勢や準備をする習慣をチーム内に浸透させた。
すると、「6月の練習試合あたりから逆方向への良い当たりが増えてきました」と4番に座った主砲・岡(夏)も感じられるチームの成長で、課題を克服しつつある。そこで自信を深めたことで、「秋から投げている好投手なので、積極的に振りに行って、ボール球を投げさせることが出来ました」と瀬戸監督は、攻撃でも組織的に市立千葉の市来を攻略する策を講じて、選手たちが体現した。
そんな東海大浦安の攻撃力にあと一押しをくれたのは、この試合で投打の活躍を見せた岡(歩)だった。
ピッチャーではあるものの、バッティングの良かったことを瀬戸監督は評価して、5月あたりからライトの練習も課した。すると練習試合でも打者として結果を残した岡(歩)は背番号9をもらった。ただ、この試合でスタメンだった杉山も使い、攻撃的オーダーを組むために本職の投手として先発起用したのだ。
4番に座った兄・岡(夏)とは1つ違いの兄弟で、中学までは広島で過ごした。しかし、「小学校の時の監督が東海大浦安のOBで進められました」ということで、現在は兄ともう1人の弟、そして母の4人で千葉で暮らしている。父は仕事の関係で広島に残られているそうだが、市立千葉戦での2人の活躍はきっと届いているはずだろう。
あと少し足りなかったバッティングという武器を引っ提げて、東海大浦安が上位進出となるか楽しみだ。
(取材=田中 裕毅)