鹿児島実vs樟南
力投・西田に援護なく・樟南
鹿児島実と樟南。鹿児島を代表する伝統の2強が夏の前哨戦となる本大会準々決勝で激突。朝方の雨で約50分遅れての試合開始だった。
鹿児島実・大村真光（3年）、樟南・西田恒河（3年）、先発の左右両椀の好投もあり、両者1点が遠い我慢比べの一戦となった。
先手を取ったのは樟南。2回表、先頭の4番・小峰康生（3年）がレフトオーバー二塁打で出塁。5番・町北周真（2年）がセンター前ヒットで続き、6番・麥生田駿（3年）の犠牲フライで幸先良く先制した。
ところが樟南打線はこの後、大村を全く打ち崩せず。3回以降、4回を除いて9回まで1人の走者も出せなかった。
一方、鹿児島実打線も、好左腕・西田をなかなか攻略できない。初回から4回まで、3回を除いて毎回走者を出すも得点ならず。5回一死から1番・井戸田直也（3年）がライト前ヒットで出塁。二死ながら送りバントで二塁まで進めると、3番・城下拡主将（3年）がセンターオーバー二塁打を放って同点に追いついた。
1対1のまま勝負は延長戦へ。樟南は10、11回とようやくヒットが出てチャンスは作るも得点ならず、力投を続ける西田を援護できない。鹿児島実も大村の力投に応えられないまま、勝負は13回から無死一二塁でスタートするタイブレーク戦にもつれた。
樟南は併殺で打ち取られ得点ならず。裏の鹿児島実は満塁としてまさかの暴投で決勝点が入り、2時間41分の死闘は意外な結末となった。
（文＝政 純一郎）
